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2016年は高値波乱も~「7月参院選にらみ無策ではあり得ない安倍政権」=山崎和邦

2016年相場展望~3つの観点を通して「割り切る」ではなく「腹を固める」べし

経済予測とか相場予測の「通説」というものは、常に明るくて心地よいものである。本稿でも新年早々はそうしたいところだが、思ってもいないことを臨時に述べると、どこかで自己矛盾を来たし行き詰まるものであることを現職時代に何度も経験した。

そこでまた例によって、2016年の相場見通しについて3点、思ったままを書かせていただこう。

(1)今ほどの政権連動相場はかつてなく、7月選挙を前に無策で通る訳はない

政権連動相場は「見せ場」→「正念場」→それを力づくで押し通す「修羅場」→躓いて、或いは日柄満ちて「土壇場」…と進むものだ。そして「見せ場」は12年11月14日(衆院解散決定日)から15年夏の大天井までをもって、ひとまず第1幕(青春期相場編)と第2幕(壮年期相場編)の幕を下ろした。

株で言えば始動点から2.4倍。円相場は80円から120円台となり、日本の立地競争力の改善、生産や設備投資の国内回帰。いまだ不十分ながら賃上げ方向に舵が切られている。円安とビザ発給条件の緩和による海外からの観光客急増。最大成長産業の農政改革に中途半端ながら着手等々、政策は着々と進んではいる。株価構成の基本たる企業業績は史上最高を更新した。

そこで、2016年前半には老年期相場が花咲いて、小泉改革相場の時のように壮年期相場の高値を窺う場面まであるかもしれない(その場合15年6月~8月の20,900円を窺う展開となる)。原則として老年期相場は「出がらし」だから壮年期相場の高値を抜けないものではあるが、今ほどの政治連動型相場はないからだ。

7月のたぶん衆参両院選挙という一大政治イベントを、無策で通る安倍内閣ではない。兜町の格言では「ヒツジ辛抱、サル騒ぐ」と言うが、サル騒ぐ年となると2016年は高値波乱と見るべきか。

老年期相場が第2期青春期相場を懐妊し、アベノミクス相場の第2ラウンドが産まれるという見方もある。2016年前半は、日経平均は2万円近い高値圏を固め、6月末の株主総会シーズンに向けて増配や自社株買いなど株主還元策を打ち出す企業が相次げば、2016年前半は7月の衆参両院選までに高値を狙いに行く場面もあり得る。もっとも「サル騒ぐ年」は良く見ても前半高の後半安、となろうか。

(2)2016年、海外勢が今のままでは「見せ場」は再びは来ない

海外勢は2015年6月まで2兆6千億円を買い越した。13年の年間買い越しは15兆円で過去最高だった。これが先の「見せ場」における「第1幕・2幕」を作出した。

ところが今年は年初から12月第3週までの累計では2300億円の売り越しだった。年後半が大幅売り越しになった勘定でまさに「ヒツジ辛抱」の本領発揮という格好であった。

年間売り越しは08年リーマンショックの年から7年ぶりのことである。売買高の6~7割を占める海外勢がこれでは「見せ場」は再びは来ない。国内個人はシタタカで、決して高値々々とは買ってこないからだ。誰かが高値々々と買ってくれなければ新高値はとれない、当たり前だ。

兜町では「需給に勝る材料なし」と言う。この売りを吸収してくれたのは国内法人の自社株買いで、3兆円弱であった。「自社株買いは縮小均衡の志であって褒めたものではない」が筆者の言い分だったが、市場では歓迎されるべきものとして通ったし、現に大量の海外売りを吸収した。

年金基金は1.6兆円と2年連続の買い越しだが、なんと言っても重要なのはやはり海外勢であり、その売り越しが気にかかる。

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