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「北朝鮮の水爆」は安倍首相のシナリオ通り?隠された日韓合意の真実=高島康司

なぜ今?日韓の政権にとってリスクが大きすぎる合意

また韓国のパク・クネ政権にしても、早期の解決はリスクの大きい決断だ。

パク・クネ大統領は、国民の「従軍慰安婦問題」に対する強い思いを支持基盤のひとつにしてきた。今回、この問題の最終決着を受け入れることは、ソウルの日本大使館前に設置した慰安婦の「少女像」を撤去し、国内の元慰安婦のみならず「慰安婦問題」で活動している国内の市民団体に、最終決着を納得してもらう必要がある。元慰安婦や市民団体は、日本政府の法的な責任と謝罪を追求しており、今回の決着は容認できないとしている。

事実、元慰安婦の人々は、今回の合意の説明に訪れた外務次官を拒絶した。これからパク・クネ政権は厳しい状況に追い込まれるだろう。

昨年の10月21日から始まった動き

このように見ると、今回の合意は日韓両政府にとってリスクがかなり高いものであることは間違いない。それなのに、なぜ日韓両政府はこの問題の早期解決に合意をしたのだろか?

「従軍慰安婦問題」の解決による日韓の関係改善に向けた動きが始まったのは最近ではない。これに向かう最初の動きがあったのは、2014年10月21日である。

この日、安倍政権の外交策士と呼ばれる谷内国家安全保障局長は、ソウルの青瓦台でキム国家安保室長と会談した。この席上谷内氏は、10-11日に中国・北京で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議期間に日韓首脳会談を望むという安倍首相のメッセージを伝えた。

これに対しキム氏は、日韓首脳会談実現のためには「従軍慰安婦問題」で日本側の「誠意ある措置」が必要だという見方を示し、日本に対応を迫った。

どうも、これが日韓の関係改善に向けた最初の一歩であった可能性が高い。この後、日韓両政府の実務者レベルの接触が頻繁になり、2015年11月には日韓首脳会談の実現につながった。

重要な事実を伝えていない日本の報道

安倍政権が発足してから、安倍首相の戦前の歴史を美化する歴史修正主義的な態度が引き金となり、日韓関係は首脳会談さえ不可能になるほど冷え込んだ。その意味で、昨年の10月から始まった関係改善に向けての動きは大きな一歩となった。

これを日本の主要メディアは、「いつでも対話のドアは開かれている」という一貫した姿勢を堅持している安倍政権を受け入れるように、オバマ政権が韓国のパク・クネ政権に強い圧力をかけた結果だとして報じた。つまり、パク・クネ政権が圧力に抗し切れずに日本に歩み寄ったとする報道だ。

しかし、これは完全に事実とは異なると言わねばならない。もちろん韓国にも圧力はあっただろうが、韓国と関係改善するように強い圧力を受けていたのは、安倍政権のほうなのだ。

Next: 安倍政権への「強い圧力」を示す米シンクタンクの文書

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