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大波乱はなぜ起きたか?「申が騒いだ」1月相場を振り返って=山崎和邦

具体的にどのように買いに入るか?小泉相場を振り返って

実は小泉内閣時代の大相場(07年7月)1万8000円の時、週刊ダイヤモンド誌から取材を受けて私は「今が大天井だ」と言い切った。週刊メルマガでも力説した。当時は珍説として姉妹誌『ZAi』に大きく掲載された。結果、その1カ月後にサブプライム問題で5000円安、翌年リーマンショックで7054円まで行ってしまった。

その後、8000円割れから「今から下がっても1割。上げれば2倍」と力説した。結果はそこから1.5割下がって、2倍半になった。

具体的にはどのように買いに入るか、であるが難しく考えることはない。この相場の始動点8,665円(12年11月14日の衆院解散決定日)から天井2万952円(15年6月24日)までの3分の1押し(1万6857円)が第1のメド。そこから少しずつ買い始める。

3分の1を切ったら大天井からの黄金分割比(1万6,283円)を第2のメドとして買い下がる。それを切ったら、25日移動平均線との12%乖離を第3のメドとする(1月21日がピッタリこれだった。現に翌日は1日で940円高した)。

その次は14年10月末の黒田バズーカ第2弾の時の窓(1万5,701円)をメドに買い下がる。それを切ったら始動点から大天井までの半値押し(1万4,809円)をメドに買い下がる。そのころ世間はみんな弱気になる。だからこそ安値で買えるのだ。

長期株式投資で約22兆円の富を築いたウォーレン・バフェット氏は「街に血が流れている時に買え」と言った。江戸時代、当時、世界で最も進んでいた大阪堂島コメ相場では「野も山も、人も我も弱気なら、たわけになりて、コメを買うべし」という格言が300年も生きている。

意味のない格言は歴史の検証に摩耗されて消えてゆく。ジョン・テンプルトンは「上昇相場は、悲観の中に芽生え、疑惑の中で育つ」と言う。

今、その時が近づいている。好機近しである。ただし、その時は自分も弱気になるから強い意志が要る。自己超越の哲学が要るのだ。だからこそ儲かる。いや、儲ける資格があるのだ。

1月21日と言う日は、25日線との乖離率が12%でカラ売り比率が41%、騰落レシオが50%台、高値からの日柄が33日、全てが記録的であった。これは完全に相場が自律反騰する地点であった。相場は過去の歴史に学んで自分の意思で自律反騰する生き物である。

こういう1月21日を境にして22日の大暴騰は必然であった。その予兆を、後講釈でなく私はメルマガ『週報 投機の流儀』で1月17日に述べた。「陰の極に来た」「買い場は眼先に来た」と。

今の段階で含み損を沢山抱えている人は私の発信している「週報」での「今は売って、買うのは見送りだ」の警告を読まなかった人々であろう。今からでも遅くはない。我田引水に聞こえようが、言動一致で市場からカネを獲って多少の金融資産を作ってきた私の説くことに耳を傾けることだ。それは次の2つの行動で足りる。

(1)これからの上昇は「中間反騰」だから戻りのメドを見切って、出来るだけ沢山売っておくことだ。

(2)そのあとにバーゲンセールが来る。その時は何を買っても儲かる。但し、繰り返して言うが、その時は、怖い自己を乗り越える自律が要る。だからこそ儲ける資格があるのだ。

幸い、株式市場という沃野は広く且つ深い。法律と契約を守る限り、誰がどれだけカネを獲って来ようと自由だ。さあ、読者諸賢よ、自分の獲り分のカネを獲りに、この沃野へ出かけようではないか。好機は近い。

ヒトの智慧は何千年前から進歩していない。自然科学は大進歩したが智恵は2500年前の一中国人の言行録や2000年前の一ユダヤ人のことが今でも大ロングセラーだから、いつの時代でも似たようなものである。その人間が「相会う場」が「相場」である。市場である。故に似た現象が起きるのであろう。前掲のジョンテンプルトンの名言はこれを言う

「経験を積まねば分からない」というなら先に生まれた人にかなわない。そんなことはない。市場は過去を記憶して動くから、歴史に(を、ではなく)学ぶこと、私のメルマガや本を読んだり、人の話を聞いたりして疑似体験を積むこと、これで「経験を積んだ」とおおむね等しくなれる筈であるはず。そこに勉強の意味がある。

福沢諭吉の「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず」は有名であるが、実はそのあとに「と言えり。」と続くということを御存知であろうか?これは「と言ったそうだ」と言う意で「タテマエ上はそういうことになっている」という意味である。「実は貧富の差があるのだ」と説いている。そしてそれは学問したかしなかったかで差が付くのだ、と言っている。

私たちは幸い、勉強して市場に参加できる機会が沢山ある。これが「学問のすすめ」である。私に言わせれば、あの本は大したことは言ってない。勉強して市場で儲けましょう、と言っているのだ。実行したのは彼の女婿福沢桃助である。その投機資金で作った巨富が後輩の松永安坐衛門をして「電力の鬼」たらしめた。お互いに健闘を讃えあおうではないか。

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