昨日発表された住宅着工件数は、市場の予想を下回った。やっと悪い経済データが出て「予防的利下げ」の正当性を裏付けることができたというわけだったものの…。(『持田有紀子のグローバル投資術~日経先物、FXの投資戦略に最強の味方~』持田有紀子)
※本記事は、『持田有紀子のグローバル投資術~日経先物、FXの投資戦略に最強の味方~』 2019年7月18日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
慶応義塾大学法学部政治学科卒。野村証券入社、本社・商品本部で株式トレーダーを経て、女性初の総合職として本店営業部へ。株式オプション課や営業課を経験する。退社後は人事コンサルティングの分野で活動し、行動科学や心理学に基づく人事評価のためのコンピテンシーモデルの開発などに携わる。2005年にアルジャントレード(株)を立ち上げ、海外の先物市場や外国為替取引のノウハウの蓄積を活用した投資情報サービスに関わっている。現在、同社における代表取締役。マネーコンサルタント。
やった!悪い数字…でも米国株は依然として史上最高値付近に
史上最高値を更新したNYダウ、多少の下げで「予防的利下げ」は正当化される?
昨日に発表された住宅着工件数は、市場の予想を下回った。これによって米国株は下がり、ドル金利は低下した。やっと悪い経済データが出たことで、「予防的利下げ」の正当性を裏付けることができたというわけだ。
しかし株価は依然として高水準を維持しており、1日もあれば再び史上最高値を更新するかもしれないところに位置したままなのだ。まだまだ利下げを積極的に繰り返すというには、根拠が薄いのである。
また昨日はネットフリックスやIBM、BOAの決算があったが、いずれもアナリスト予想を上回る利益を発表した。前から疑われていることだが、この企業決算というのは民間の調査会社が勝手に予測しているものだ。
つまり、世の中に注目されるために会社側に都合の良い予想を出しているのではないかということだ。収益や利益などは会社側からの発表したものに頼るしかなく、しかるに予想といっても教科書的なものにならざるをえない。
限られたデータを使っての処理なのだから、誰がやってもほぼ同じ予想になるはずである。それがみな一律に実際の利益よりもちょっとだけ低いEPSを予想として出している。
こうすることによって市場は「予想を上回った」ということで株価が上昇するからだ。だからそういう工作をしてくれる予想会社しか生き残っていないという現実がある。
20年も前にはまともに予想していた会社もあったが、企業側から歓迎されず、順々に姿を消していったのは自然の成り行きかもしれない。
日本時間 12時00分
日経=21120, 円債=153.35, JPY=107.73
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『持田有紀子のグローバル投資術~日経先物、FXの投資戦略に最強の味方~』(2019年7月18日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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