ワンショット一千万円以上の取引があるかを歩み値で確認
ある銘柄で「歩み値」情報を引き出しワンショット一千万円以上の取引があるか、見てみます。株価が千円ならワンショット一万株以上の取引が「買いで入ったのか」、「売りで入ったのか」を確認します。
そしてその銘柄のその日の株価が前日比でプラス、出来高も前日より増えていたのなら、大口の買い注文が明日以降も入る可能性があるかも、と判断できます。なぜなら機関投資家の買いは数日から数週間に渡り断続的に続く事が多いからです(あくまで可能性としての話です。絶対、という訳ではありません)。
逆にワンショット一千万円以上の単位で「売り」が断続的に出て、その日の株価が前日比でマイナス、出来高も前日比で増えていれば、機関投資家の銘柄入れ替えによる大量の売却があったかも、と想像でき、その場合は翌日以降も株価は下げていく可能性が大です。これらは、あくまで「可能性」ではありますが…。
以下、例をあげますが、これらの例は筆者が「買った方が良いよ」とか「売った方が良いよ」と言っているわけではありません。あくまで考え方の例をお伝えしています。
《例1》
10月18日(金)に東証一部の出来高ランキング4位に入ったSUMCO<3436>は、前場と後場の寄付き、それぞれの大引けを除きワンショット3万株以上の取引(金額にして約5千4百万円以上)が29回ありました。
そのうち直前の取引価格より上値で取引された、つまり買いが優勢の取引は12回、逆に直前の取引価格より下値で取引された、つまり売りが優勢の取引は6回。買いと売りの綱引きの結果、株価は対前日比73円(4.25パーセント)のプラスで終わりました。
《例2》
逆にワークマン<7564>は、ワンショット5千株(金額にして約3千8百万円以上)の取引が23回あり、その中で買いが優勢の取引は3回。売りが優勢の取引は10回。株価は対前日比で840円(10.01パーセント)の下落でした。
ワークマンの場合はおそらく、機関投資家の銘柄入れ替えによる売却が出たのでは、と思われます。
いずれにせよ、ワンショットで3千万円や5千万円もの取引を断続的に行えるのは機関投資家しかいません。この流れに逆らって投資するのは賢明ではありません。
このように売買代金上位ランキングを始めとする各種ランキングとチャート分析をもとにした銘柄選定方法を補強する材料として「歩み値」が使えるのです。皆さんもご自分の気になる銘柄でチェックしてみてください。
image by : Lightspring / Shutterstock.com
『資産1億円への道』(2019年10月21日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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資産が1億円あるとゆとりある生活が可能と言われていますが、その1億円を目指す方法を株式投資を中心に考えていきます。株式投資以外の不動産投資や発行者が参加したセミナー等で有益な情報と思われるものを随時レポートしていきます。