米国の世論調査会社ギャラップ・インターナショナルとWINとの共同調査による2018年の世界幸福度調査で、日本の幸福度は「18位」だった。清潔で治安が良くモノが溢れた日本で、日本人はそれほど幸せを感じていないというのが統計データで見える。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)
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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。
社会に窒息感が蔓延中。日本人を縛り付ける4つのブレーキとは?
あなたは幸せを感じているだろうか?
日本は徐々に足元から崩れ去っているのだが、まだ多くの人々がきちんと生活していけている素晴らしい社会であり、さらに途上国のように社会の混乱や暴力が蔓延しているわけでもない。
日本にはまだ底力があり、それなりに国際的地位もある。頭がおかしい指導者が独裁する北朝鮮や、暴力と無法が蔓延する中東や南米の国々とは違って、秩序も保たれて人々は安心して生きている。
それで、あなたは幸せを感じているだろうか?
日本の幸福度「世界18位」
米国の世論調査会社ギャラップ・インターナショナルとWINによる共同調査による2018年の世界幸福度調査では、どのような結果が出ていたのか?
幸せを感じている人の比率として、1位から順番に、「フィジー」「コロンビア」「フィリピン」「メキシコ」「ベトナム」「カザフスタン」「パプアニューギニア」「インドネシア」「インド」「アルゼンチン」「オランダ」の順だった。
日本は「18位」だった。清潔で治安が良くモノが溢れた日本で、日本人はそれほど幸せを感じていないというのが統計データで見える(編注:国連による世界幸福度報告(2019年度版)によると、日本は過去最低の58位となっています)。
確かに、日本の社会には、秩序と安心がある。しかし、それが人々の幸せに結びついていない。それどころか、この秩序と安定が日本人を息苦しくさせていく。
秩序と安心があまりにも長く保たれていくと、人々はやがて過度に「空気を読む」ようになり、秩序と安心を乱すことができなくなる。その結果、自分の心を無意識に縛る心理的なブレーキが生まれる。
「風波を立てるようなことはしたくない」とか「現状維持したい」とか「みんながやっている通りにしたい」という空気に縛られてしまうのだ。
そうなると、環境が激変して自分も変わらなければならない時が来ても変われない。
今の日本には閉塞感、無力感、先の見えない不安感、自信喪失が蔓延しているのは、決して見過ごしていい現象ではない。