日本人を縛り付ける4つのブレーキとは?
<ブレーキその1:前例主義>
日本は「前例主義」である。それは、前例がないことをやると批判されるという意味である。
新しいことをしようとすると、前例がないので誰もが「自制」する。あるいは自制させられる。つまり、自分の行動にブレーキがかけられる。
<ブレーキその2:横並び主義>
日本は「横並び主義」である。それは、まわりを見回して、まわりと違うことはしないということだ。あるいは、敢えてまわりに合わせるということだ。
まわりに合わせるために、自分の行動を調整する。つまり、自分の行動にブレーキがかけられる。
<ブレーキその3:事なかれ主義>
日本は「事なかれ主義」である。それは、衝突が起きそうになると衝突を起こさないように我慢するということだ。正しいか間違っているかはともかく、自分が我慢して場を収める。
あえて軋轢や衝突を起こさないために、自分を抑制する。つまり、自分の行動にブレーキがかけられる。
<ブレーキその4:先延ばし主義>
日本は「先延ばし主義」である。それは、サラリーマン社長のやっていることを見てもよく分かる。自分の任期中は「つつがなく」過ごせればいいので、面倒なことやリスキーなことはすべて先に延ばしてしまう。
先に延ばすことによって自分の身分を保身する。つまり、自分の行動にブレーキがかけられる。
(1)前例主義
(2)横並び主義
(3)事なかれ主義
(4)先延ばし主義
そのどれもが、自分自身の行動を縛り付けるものであることに気付いてもいい。
日本の社会にこの4つが強固に機能しているということは、つまり日本人は強固に抑圧されているということなのである。
社会が機能していない途上国の方が幸せ
日本の社会はあまりにも、秩序を重視するあまり、それが人々を強烈に縛る「見えない鎖」と化して閉塞感や無力感に追いやっている。
どんなに才能や能力があっても、人間にブレーキをかけさせる4つの主義が働いていると、行動することができないほど縛られてしまう。これが、日本に根深い閉塞感を生み出していると言える。
自分の行動がいちいち漠とした社会の空気に抑制されるのだから、やる気が削がれて無気力になり、将来が不安になっても仕方がない。
そう考えると、なぜ経済破綻しているような南米の国家や、途上国に分類される国の国民が、逆に幸せを感じているのかも分かってくる。
途上国では、幸か不幸か国家や社会の規制力が弱い。前例があろうがなかろうが生き延びるために「何でもしなければならない」し、「何でもしろ」という行動が求められている。
他人と同じでなければならないという規制力もない。生きるのに必死だから、他人と衝突することも厭わない。先延ばしなどしていたら死んでしまうから、常にやるべきことをやる。
もともと物を持っておらず、失敗しても失うものもないので、思いきって行動ができる。
つまり、経済破綻しているような国では社会が脆弱なので、逆に国民は規制に縛られることもなく、思いきり自分を解放できているのである。
秩序もなく、物質的豊かさもなく、法的規制も弱く、治安も悪いのだが、だからこそ皮肉なことに「やりたいことを全力でできる」という社会になっている。
結果的に、彼らは愉快に、楽しく生きている。