株式投資で最も危険な言葉は「今回は違う」
相場が予想できない中で、私たちはどのように行動すべきでしょうか。
1つは、過去の経験に学ぶということです。例えば、景気サイクルは強力な根拠となり得ます。
景気は必ず循環するものです。世界経済はこの10年以上にわたって拡大を続けています。その背景にあるのがリーマン・ショックの反動と各国の金融緩和、スマートフォンによるイノベーションです。
しかし、そのいずれもいつ息切れしてもおかしくなく、景気が逆に動くことは想定しておくべきです。
その予兆となりうるのが、今年8月に米国で発生した長短金利の「逆イールド」です。通常、長期金利は短期金利より高いのですが、これが逆転してしまったのです。
逆イールドが発生すると、2年以内に景気後退が訪れると言われています。過去に照らすとほぼ例外なくそうなっています。
これを疑問視する声も少なくありませんが、株式市場で最も危険な言葉は「今回は違う」というものです。歴史に抗おうとする人が、やがて波に飲まれて行きます。
もっとも、急落の直前は急騰しやすくなるのも事実です。ろうそくは消える前が最も激しく燃えるように、最後の吹き上げが生じやすくなります。
昨年も10月にその年の最高値を記録し、その後年末の急落を迎えました。同じことが繰り返されてもおかしくないのです。
英語で最も高くつく四語は「今回は違う(This time it’s different)」だ
出典:ジョン・テンプルトン『テンプルトン卿の流儀』