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コロナでビジネスモデルが破綻?「オンライン化の不都合」と2つの処方箋=高岳史典

緊急事態宣言下で多く聞かれた「オンライン化」、これは良いことばかりなのでしょうか?ビジネスの観点からみたとき、少なくとも1つ、大きな不都合があります。それは「お金が取れない」こと。オフラインではお金が取れていたのに、オンラインになると途端に払ってもらえなくなるビジネスがあることです。では、どうすればいいのでしょうか?(『銀行とP&Gとライブドアとラムチョップ』高岳史典)

コロナで加速した「オンライン化」

5月25日をもって2ヶ月弱にわたる緊急事態宣言が全国で解除されました。まずはここまで皆様お互いにお疲れ様でした!

もちろんここからがウイルスとの共生というさらに難しいステージに入るわけですが、ここまで日本は相当うまくリスクをコントロールしてきたかと思われます(手法その他に賛否様々な意見はあると思いますが、人口あたりの死亡率という絶対的な数字は動かぬFactかと)。

さて、宣言下で「自粛」と対のごとく使われたのが「オンライン化」という言葉であり、実際にあらゆる場面でリモートでの行動がごく短期間のうちに根付きました。

オンラインでの会議、オンラインでの飲み会、オンラインでのパネルディスカッション、オンラインでの授業、オンラインでの番組、オンラインでの制作…etc.

オンラインのツール自体はSkypeにせよZoomにせよ以前からあったわけで、今回のあらゆる場面でのオンライン化はツールの登場によるものではありません。

「密を避ける」というウイルス対策の果実の一つとして生まれてきた(あるいは促進された)行動様式です。

もうオフライン社会には戻れない

ならば、なぜこれらの行動様式が今までなかった(あるいは促進されなかった)かというと、知らず知らずのうちに、オフライン>オンラインという図式があったからではないでしょうか。

会議や打ち合わせと言えば顔を合わせてが当たり前で、オンラインで参加というと何かちょっとコミットメントが欠けているような。

パネルディスカッションである人だけがオンラインで参加というとなんだかちょっと軽んじてる感じがあったし、ましてやオンラインでPC画面の前で飯を食うとかオンラインで番組に出るとかなんて、これまでにはちょっと想像できなかった場面かと。

ところがやってみたら存外に良い点がたくさん見つかって。距離からの開放、時間とお金の節約、会話や資料の保存、などなどです。

一度その利点に気づいてしまった以上、仮に新型コロナが十分に収まったとしてもこれらの行動様式は相応に残ると思われます。

緊急事態&自粛というかつてない苦しい状況の中でも、オンライン化が促進されたことはとても良いことだという意見は多々あり、実際、それはそうなのだと思います。

「お金が取れない」ビジネス面で大きな不都合

じゃあ、オンライン化が進んで良いことばかりなのでしょうか?

ビジネスの観点からみたとき、少なくとも1つ、大きな、大きな、不都合があります。

それは「お金が取れない」こと。オフラインではお金が取れていたのに、オンラインになると途端に払ってもらえなくなること。

具体例で。本メルマガでも過去に度々とりあげましたが、今回の新型コロナ以前は、巷ではまさに「カンファレンス」なるものの花盛りでした。マーケテイング系だけに絞ってもその数は年々増え、あらゆるところで似たようなテーマで似たような登壇者がぐるぐる回っているような状況でした。

そのようなカンファレンスの収益源は、「スポンサー料」と、来場者からの「入場料」。もっとも、この入場料も経費として会社が負担する場合が多く、その額は例えば2〜3日間のフル参加のパスで10万円超なんてことも珍しくありませんでした。

そこへ今回の新型コロナが直撃。巷のカンファレンスは、「密」を象徴するものとして中止を余儀なくされます。

と、当然こちらも「オンライン化」へ向かうこととなりました。

それらのカンファレンスの主要コンテンツたるパネルディスカッションは、モデレーターたる人がパネルたる人たちに次々と話を振り向けては順番に語ってもらうものであり(それが正しいパネルディスカッションかどうかはさておき)、まさにオンライン化にピッタリだったのです!

実際、最近では「アフターコロナの~」と銘打ったオンラインディスカッションが雨後の筍のように出てきています。そしてそれらのディスカッションは上述のごとくオンラインでも見事に成立します。

なんなら、わざわざ会場に行かなくてもいいし、録画を見ることができるなら時間にも縛られずこっちの方がいいやってくらい。

で、気付きます。

どうやってお金取るんだ?と主催者。
なんでお金払ってたんだ?と参加者。

「カンファレンス」たるものが、オフラインからオンラインに移行した途端に、スポンサー料も入場料もすっ飛んでしまったわけです。

お金は何に支払われていた?

では、なんでこんなことになるのでしょう?

答えは、お金(ここで言えばスポンサー料や入場料)は個々のコンテンツにではなく「カンファレンス」という集まりそのものに払われていたからです。

多くの人が集まるという前提で支払われていたスポンサー料はもとより、たくさんのテーマでたくさんのマーケッターや専門家のパネルディスカッションが見れるからと会社が出してくれていた経費=入場料は、「カンファレンス」という形式要件が消えると共に霧散してしまったわけです。

そして「カンファレンス」を構成していた主要コンテンツたるパネルディスカッションは、一見すると見事にオンライン化に向いているにも関わらず、無料または安価になってしまいました。同じようなテーマで同じような人たちが語っているのに!

じゃあ例えば、それらのオンラインコンテンツを「カンファレンス」のごとくまとめて放送すればお金が取れるのか?

否だと思います。皆さんも、個々で無料なものがまとまったからってお金を払いたいと思わないでしょう?

これが「オンライン化の不都合」です。

一見、個々のコンテンツに惹かれてビジネスモデルが成立してるようだった仕組みが、実はコンテンツそのものよりそこに「集まる」ことによってビジネスが成立していたことが、オンライン化によって露呈されてしまう現象。

似たようなケースは、例えばカリスマトレーナーを揃えたようなスポーツジムでも言えるでしょう。オンラインでも同じ指導が受けれるのに(器具などがないことを除いて)、やっぱりそのオンラインレッスンは限りなく無料化してしまう。

じゃあ、どうすればよいのか?

もちろんこれからいろんな処方箋が出てくると思うのですが、僭越ながら少なくとも2つのアイデアを。それは、

1)コンテンツそのものをオンラインでも(オンラインだからこそ)お金をいただけるところまで昇華する
2)ビジネスモデルそのものを転換する

です。続きはメルマガで書きましたので、詳細な説明を読みたい方はご購読ください。

続きは『銀行とP&Gとライブドアとラムチョップ』を購読するとお読みいただけます。
image by:Travelerpix / Shutterstock.com

銀行とP&Gとライブドアとラムチョップ』(2020年5月26日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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バブル末期の日本興業銀行、日本事業を飛躍させていたP&G、事件以降の混乱から再生へ向かうライブドア、そしていきなり飲食業界での起業。期せずして得た脈絡のないキャリアは、驚きと学びと挑戦の連続でした。今回はじめて、メルマガという形で「ここだけの話」を記していきます!

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