日本国内の広告業界において、コロナウイルスによる経済的ダメージがどの程度あるか、また、いつまで続くのかを探っていきたいと思います。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)
(筆者注:この記事はHiroki Shigemuraさんとの共同制作です。)
※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2020年5月25日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。
コロナの影響で「モバイル利用時間」上昇
先日、Google、Facebook、Criteoの3社について、オンライン広告ビジネス売上へのコロナウィルスによる影響を読み解く記事を書きました。
今回は、日本国内の広告業界において、コロナウイルスによる経済的ダメージがどの程度あるか、また、いつまで続くのかを探っていきたいと思います。
※参考:eMarketer「Mobile Advertising Declines Due to COVID-19, Despite Increased Time Spent」
モバイル市場データを提供するApp Annieのデータによると、2020年2月の1か月間における国内のモバイルアプリの利用時間は、2019年の年間平均と比較して、+7%となっています。
特に中国、イタリアは、この期間において、ロックダウン下であったことも相まって、モバイルアプリの利用時間が、2019年の年間平均比+10%以上の伸びを示しています。
モバイルの利用時間が伸びることは、インターネットネット広告にとっては追い風です。
米国の広告収益への影響の調査
また、広告収益トラッキングサービスを提供するAdomikによると、アメリカのデジタル広告の収益は、3/10〜3/15の期間と3/17~3/22の期間を比較すると、3/17~3/22の週は前週比マイナス17.2%も減少したと公表されています。
短期間のデータですが、かなりダメージを受けていることがわかります。次項からは、具体的にどの程度の業績影響があるかを調べてみます。
Next: まずは、YouTube広告収益を柱とする代表企業として、UUUM(マザーズ)の――