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「自粛警察」は殺人行為。休業・ステイホームの強要は“困窮死”を爆発的に増やす=鈴木傾城

当たり前のことだが、大多数の人は富裕層ではないし、成功した芸能人のように遊んで暮らせるわけでもない。仕事がなくなれば暮らしていけなくなる。政府に給付金10万円もらったら安心して自粛できるような身分ではないし、その10万円で家族が養えるわけでもない。「自粛・休業・ステイホーム」が続いている限り、いつでも生活は破綻しかねないギリギリの状況なのである。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)

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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、主にアメリカ株式を中心に投資全般を扱ったブログ「フルインベスト」を運営している。

働かないと食べていけない人を無視するな

何も考えないで、ひたすら「自粛・休業・ステイホーム」を連呼している人間は、想像力が欠如しているのではないか。働かないと食べていけない人を無視しており、経済が回っていないと死んでしまう人に「死ね」と言っているようなものだからだ。

すこし想像力を働かせると、自分がどんなにマズいことを言っているのか理解できるはずだ。全員が完璧に自粛したらどうなるのか。あるいは自粛が長引いたらどうなるのか。

最終的に多くの人が経済的に死ぬ。

ほとんどの企業は「自粛・休業・ステイホーム」で売上が激減して従業員を減らす。最初はパートやアルバイトを切り、その次に契約社員や派遣社員を切り、それでも利益が確保できないのであれば正社員もリストラしていく。

自粛のレベルが強まれば強まるほど、自粛が長引けば長引くほど、経済はどんどん悪化していき最終的に多くの人が失業する。企業バタバタと倒産していき、経済を回復することができなくなる。

政府も無限に給付金をばらまけるわけではない。行政もいつまでも増え続ける困窮者に対応できるわけではない。そして、企業もいつまでも自粛に耐えられるわけではない。いずれ限界がくる。

どれだけのホテルや旅館が破綻してしまったのか

すでに限界が来ている業種がある。航空、観光、小売り、娯楽、外食、自動車、電機・部品、アパレルがそうだ。

中でも「航空、観光、小売り」の3業種は、自粛以外にもインバウンド消費の消失とオリンピックの延期という3重苦になって壊滅的ダメージを受けており、先の見通しがつかない状況である。

この業種では多くの従業員がリストラや無給の一時休業に追い込まれており、すでに生活が成り立たなくなってしまっている人が出てきている。それだけではない。企業そのものがどんどん破綻している。

3月でどれだけのホテルや旅館が中国発コロナウイルスによって破綻していったのか。

田村屋旅館、名湯の森ホテルきたふくろう、木村屋旅舘、関西スターリゾート株式会社、星たる、薬師のゆ本陣、富士屋ホテル、とみや旅館……。億単位の負債額を抱えて倒産したホテルのみを抜粋しているのだが、こんな調子だ。

では、4月でどれだけのホテルや旅館が中国発コロナウイルスによって破綻していったのか。

有限会社トラベルシリウス、長州観光開発株式会社、まるい商事有限会社、稲荷山温泉 ホテル杏泉閣、株式会社安藤、ドライブセンター白山、タカダキャッスルホテル、WBFホテル&リゾーツ、泉屋旅館、人吉観光交通株式会社、ファーストキャビン、ロイヤルオークリゾート、秋芳ロイヤルホテル秋芳館……。

この中で、WBFホテル&リゾーツは負債総額約160億円である。

億単位の破綻のみを挙げただけでもこれだけのホテル・旅館がここ2ヶ月の間で潰れてしまっており、負債総額が数千万円レベルの中小零細のホテル・旅館を入れればどれだけの数になるのか分からないほどだ。

これらの企業の破綻の陰に、全従業員の解雇がある。

Next: 現在、苦境に落ちている多くの業界は、大量の従業員を抱えている――

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