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トレードとは何か、その成功の要因とは何か~人がコントロールできるのは期待リターンだけ=田渕直也

偶然の世界からいかに逃れるか

単純に考えて、偶然はおよそ半数の人に成功をもたらします。偶然が支配する世界では、結構な割合の人が成功を味わうわけです。でも、それはあくまでも偶然のたまものであって、その後も成功するか失敗するかは五分五分のままです。

この偶然の世界から抜け出さない限り、長期的に利益を積み上げていくことは難しくなります。しかし、最初に成功から入った(約半数の)人たちは、その必要性に気がつきにくいのです。

では、相場の全てが偶然によるものなのかというと、そうではないというのが私の意見です。もっとも、そのように断らなくても、ほとんどの人は「相場の変動は偶然によるもの」という考え方を受け入れられないと思います。

しかし、ここで私が言おうとしている「相場のすべてが偶然によるものではない」というのは、多くの人が感じていることとは全く意味が違うものです。

この点については回を改めて詳しく話をしたいと思いますが、ここでは結論を先に述べておきたいと思います。

大方の感覚とは異なって、相場変動の大半は偶然(もしくは予測不可能な変動)によるものと考えられます。ですが、特定の部分には偶然によらない動きがあり、そこにトレードの真の収益源が生まれます。

まさにそこを探っていこうというのがこのメルマガの主目的になるわけですが、そのためには、プロでも基本的に相場の変動を予測できないように見えるという事実を最初に見つめることから始めなければなりません。

相場変動は予測可能なものであって、その変動を誰よりも早く、誰よりも正確に察知することでトレードを成功に導けるというふうに考えるのではなく、逆の発想が必要なのです。

つまり、大前提として、相場の予測は誰にとっても基本的には不可能であるという点を出発点とし、その大前提からわずかでもずれている部分を注意深く探ることが必要になるということです(今は考え方だけを示しますが、考え方の違いによって、そこから導かれる結論もまた違ったものになっていきます)。

ですから、トレードの科学の第1条は、以下のようなものになります。

「基本的には、相場の変動は偶然に近い動きをしており、それを高い精度で予測することは誰にもできない。その予測不能性の中で、短期的な成績はほぼ偶然のたまものであって、真の実力とはほとんど関係がない」

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