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「万年割安」の商社株と原油相場をどう見るか=山崎和邦

2:原油安は原油輸入国の日本にとって必ずしもトクではない

いまから30年近く前、1987年頃の株式市場は、円高・原油安・低金利を「トリプルメリット」と称して前年につけた史上最高値を更新し、秋の所謂「ブラックマンデー」まで高騰し続けた。

2016年現在の市場では敏感な悪材料となる円高と原油安が、低金利と並んで3大メリットだと囃されていたのである。円高は「強い日本の象徴」だとされ、原油安は「資源輸入国の日本にとってはメリット以外の何ものでもない」とされた。

さて今回も教条主義者・原理主義者は、原油輸入国の日本にとって原油価格の下げはトクになる一方だと言っていた。よって日経平均2万5千円だ、と言っていた。

原油が安くなるというのは良いことばかりではない、と筆者は半年以上前にメルマガ「週報」にも何度も述べた。現に産油国は、国庫が赤字になったので一番売りやすい日本株を大量に売って補った。7年ぶりの海外投資家の売り越しはそれが主因である。そこへ、その力学を使ってヘッジファンドが仕組むから動きを増幅する。主因は原油価格の暴落であった。

お陰で日本国の時価総額は数十兆円も減った。日銀の標榜する「2%目標」も原油暴落のお陰で達成は遠ざかった。経済音痴の民主党議員はアベノミクスの失敗だと騒ぐ。これはデフレ脱却という第一使命を妨げる。経済は半分は「気」の問題だ。だから8年ほど前に『経済は感情で動く』(マッテオ・モッテルリーニ著・泉典子訳/紀伊國屋書店 2008年 刊)などというバカな本がベストセラーになったのも無理はない。

十数年ほど前だが、政策の催促の為か日経新聞が不況不況と騒ぎまくったせいで世の中が閉塞感に満ちた、これを識者は「日経不況」と揶揄した。

デフレ脱却の障害となった原油暴落は「やはりデフレ脱却は無理だ」との印象を与えるから「気」の問題を大きくした。筆者が昨年から述べてきたのはこれである。経済音痴(か、またはその振りをする)民主党は党名を変えてもダメだ。

株価も資源価格も熱狂と悲観を繰り返す。原油価格は、誰が、2008年高値の5分の1になると予測したか?その予測は回答を得られずとも、ある一定の基本的な考え方が確固として無ければ熱狂と悲観に振り回される教条主義に陥る。筆者は12カ月移動平均の40%乖離のみを見ている。ファンダメンタリストの言うことは。往々にして時局に左右されて本質を見失う。

Next: 3:各国民には固有の「恐怖のDNA」が存在する

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