エール大学で教鞭をとってきた精神科医のバンディー・リー博士がトランプの精神状態に警鐘を鳴らし、残りの任期でとんでもない行動に出る可能性があると発言している。その前哨戦となりそうなのが、エスパー国防長官の解任であろう。(浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』浜田和幸)
国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。
精神科医が警告「精神状態は狂った」「とんでもない行動に出る」
トランプ大統領の自己中ぶりには歯止めがかからない。
これまでもアメリカの精神科医800人が「大統領は心の病を患っている」との診断を下してきた。
そして、今回、大統領選挙の結果を認めようとせず、「自分は圧倒的な勝利を収めた。7,100万人もの有権者が自分に投票してくれた。民主党は郵便投票の不正操作によってバイデン票を水増ししている」とのツイッターを連日発信している。
そうした言動を分析し、エール大学で教鞭をとってきた精神科医のバンディー・リー博士は「4年前の大統領就任以前から精神的におかしかったが、今回の選挙敗北という事態に直面し、精神状態はかつてないほど狂ってしまったようだ。アメリカにとっても世界にとっても極めて危険といえるだろう」と警鐘を鳴らしている。
その上で、同博士曰く「トランプ大統領の政敵に対する怨念がもたらす暴力的言動を過小評価してはならない。今後、ホワイトハウスで執務する時間は限られるだろうが、とんでもない行動に出る可能性がある」。
エスパー国防長官を解任、「イエスマン」を後任に
その前哨戦となりそうなのが、エスパー国防長官の解任であろう。
これまでも同長官は、国内で広がる人種差別に反対するデモは警察では鎮圧できないので「軍隊を導入すべきだ」と主張するトランプ大統領に対して、「米軍はアメリカ国民を守るのが使命で、アメリカ国民を弾圧するようなことはできない」と言って、大統領の意向に反してきた。
トランプ大統領は苦々しい表情を浮かべて、国防長官の発言を聞いていた。
今回の選挙結果を受け、バイデン陣営では新政権への移行チームを立ち上げ、新たな閣僚人事の選定作業を始めたようだが、トランプ大統領もポンペオ国務長官も「トランプ政権が2期目に入る」と主張し、民主党の動きをけん制している。
その中で、発表された国防長官人事である。
トランプ大統領がエスパー氏の後任に指名したのは全米対テロセンターのセンター長であるクリストファー・ミラー氏であった。
ワシントンではよく知られる「イエスマン」に他ならない。
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