誤発注や発注ミスなどの理由で商品を大量入荷してしまったと語り、「助けて下さい」と訴えることで、憐れんだ客にその商品を買ってもらうという、SNS上などでよく見聞きする行為に対し、ここに来て疑惑の視線が一気に広がっているようだ。
「発注ミスしました!助けて下さい!」
私の苦手な言葉です。・客の善意につけ込んでるようにしか見えない
・担当者はミスを繰り返すな。開き直るな
・経営者は誤発注を防ぐ仕組みを構築しろ
・卸も異常値発注が来たら確認しろ「どうせ販促手段でしょ」と警戒され、本当に困った時に使えなくなるよ… pic.twitter.com/il76QzBew5
— ブラック企業アナリスト 新田 龍(労働マナー講師) (@nittaryo) July 17, 2022
話題になっているツイートでは、「客の善意につけ込んでるようにしか見えない」「担当者はミスを繰り返すな。開き直るな」などの問題点が挙げられ、「本当に困った時に使えなくなるよ…」と、あたかも狼少年の末路のような状況となるのではと指摘。
このツイートには「毎回こういう手合いはワザとやってんじゃない?と思っています」「年中閉店セールやってるお店と同じ臭いがしますw」などと、多くの同意見だという反応が寄せられているようだ。
普通ならミスしたとしても問屋とか卸から『これだけ注文来たんですけど本当に大丈夫?』と連絡が来るもんだと思いますが。毎回こういう手合いはワザとやってんじゃない?と思っています。
— 監督不行届@ツエサポ7年目突入 (@kantokujouyou) July 18, 2022
年中閉店セールやってるお店と同じ臭いがしますw
— 米村歩@日本一残業の少ないIT企業社長 (@yonemura2006) July 18, 2022
大量ミス仕入れの飲食店が「誤発注を装った?」と批判されるケースも
当初は「ネット上の美談」「SNSで広がる善意の輪」といったノリで、好意的に語られることも多かった、この手の話題。定番である「あり得ないほどの在庫の山」といったインパクト大の画像も、SNS上での耳目を大いに引いたものだったが、あまりにも多くその手の話が消費され続けてきたためか、今や多くのSNSユーザーにとって食傷気味となっているのは否めないところだ。
それに伴って、先述のように「ワザとやってるのでは?」との声もあがるこの手の話だが、例えば元ツイートでも画像が取り上げられていた某激安店の場合は、明らかに狙ってやっているとの見方が専ら。
徳田何やってんだよ… pic.twitter.com/Flnate8z6V
— 叶音(カノン)⛺♌10/22~23 ゆかりん ぴあMM公演 参戦 (@yuki_mymelody) July 18, 2022
確かによく見ると、発注ミスをしたとして名指しされている担当者の名が毎回同じなうえに、ミスる商品がお菓子や袋ラーメンといった、賞味期限がある程度長いものばかりなのも特徴的。挙句の果てには、店頭POPに発注ミス予告までしている始末なのだが、とはいえ消費者側の多くも、これらは店側がネタとして、あるいは一種のマーケティング手法としてやっているということは、重々織り込み済みだといった様子だ。
いっぽうで同じような趣旨の話として、飲食店が発注をミスってしまい、店の規模的に到底捌ききれない量の食材が届いてしまい……といったこともよく耳にするが、それに関しては過去に「インチキでは?」との疑いが掛けられ、大炎上となったケースもあった。
発端は、96㎏という大量の鶏肉を誤発注してしまったという神戸市にある飲食店店長を名乗る人物によるツイート。食べ放題飲み放題を500円引きするので助けてくれという内容に、同情するツイートも一定数集まっていたようなのだが、同業者とみられる人物から「冷凍保存で2年はもつ」「値段は5万円ほどなので大して損失は出ないはず」との突っ込みが。
それにより店への同情論は一掃されてしまい、「誤発注を装ったのでは?」といった疑惑が渦巻く展開に。批判を受けた店主は、ネットメディアの取材に対し「まさかこんな事態になるとは」「今はショックで何も考えられない」と、涙ながらにネット上の憶測を否定するという事態となったのだ。
この店長の行動が誤発注を装った宣伝行為だったのか、それとも本当に誤発注だったのか、その真相は結局のところ闇の中となったのだが、とはいえこれらの出来事が起きた3~4年前の段階で、すでに誤発注や発注ミスをダシに同情を買うといった話に対して、懐疑的な見方も多かったというのは間違いないようだ。
「発注ミス」は廃れるも新たなストーリーが横行か
このように、誤発注や発注ミスという理由付けはすっかり廃れてしまった感はあるものの、それとは別のストーリーでもって、消費者からの同情を誘うという手法は、今だに多く用いられているようで、つい最近だと宮古島産マンゴーを巡って炎上沙汰があったばかりだ。
マンゴー農家を引き継いだものの顧客情報は引き継げなかったと語る人物が、1万個ほどの行き場がないマンゴーを、赤字覚悟で販売するというツイートをしたのは、今月15日のこと。当初、そのツイートは広く拡散され、話に同情したのか購入を希望するといった向きも多くいたようなのだが、なぜか購入希望者に対してLINEへの登録を誘導するという手法や、ツイートに掲載されていたマンゴーの写真がフリー画像だったことの露見、さらに実際は赤字処分どころか送料込で1個4,000円という価格だったこともあり、疑念の声が噴出。
そのうえ、情報商材の界隈で有名だという人物が、このマンゴー農家との関わり合いがあることが判明したことで、炎上がさらに加速。通報が相次いだためか、結局はこの自称・マンゴー農家のツイッターアカウントが、凍結されてしまうという事態になったのだ。
これコンサル案件ですよね。なのでマンゴー農園を継いだが云々と言うのは多分マーケティング用の作り話。また他の方も指摘してますが無料素材サイトからの写真を商品写真として使うなど色々問題ありです。農園の名前を出さないのは農園を継いだ云々のストーリーでマーケティングするためでしょうか? pic.twitter.com/0XpYLcGeTt
— Deepeeper (@deepeeper) July 15, 2022
宮古島のマンゴー農家の件、詐欺がステマなのでお気をつけを。バックに怪しげなのついてます。LINE登録ダメ絶対。
・なんでTwitter始めたのが今月?
・画像転載っぽい
・出荷できるまで販路開拓してない
・昨日マンゴーの日w同情引くのは手口。買った人の証拠画面さらすとか…#宮古島 #マンゴー pic.twitter.com/EtvYEe74Di
— No War💙💛 (@torisakura_1) July 15, 2022
なぜ迫さん謝罪してるん??
ただの購入者なんだよね???それより、宮古島のマンゴー農家全員に喧嘩売ったことについて弁明してほしいんだけど。 https://t.co/9p5x7XULQv pic.twitter.com/WtF67EBzNH
— まろ (@marokoron07) July 18, 2022
現在進行形の話でもあり、マンゴー農家側に消費者を騙そうとする意図があったのか、さらに一連の行為が詐欺にあたるものかどうか等に関しては、今後の話の推移次第といったところ。とはいえ、同情心をダシに何かしらを売るという行為に対して、消費者からの視線がより厳しくなっているのは間違いないようで、この手の話が「ネット上の美談」として受け止められていたのも、今や昔といった状況のようだ。
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