株式会社ノースサンド(446A)のグロース上場を記念した記者会見が行われ、代表取締役社長CEOの前田知紘氏と専務取締役CFOの小久江省隆氏が記者からの質問に答えました。
株式会社ノースサンド
設立:2015年7月
事業内容:ITコンサルティング、ビジネスコンサルティング
登壇者名
株式会社ノースサンド 代表取締役社長CEO 前田知紘 氏
株式会社ノースサンド 専務取締役CFO 小久江省隆 氏
質疑応答:離職率の目標と施策について
質問者:コンサルティング業界では、離職率が20パーセント台と一般的に言われていますが、御社は10パーセント以下と低水準を維持されています。今後の離職率の目標と、それを実行するための計画についてお聞かせください。
前田知紘氏(以下、前田):引き続き、離職率は10パーセントを切るような低い水準を維持していきたいと考えています。そのための施策としては、カルチャーを醸成させていき、エンゲージメントの高い組織であり続けるということが、低い離職率を維持するために必要なことだと考えています。
質疑応答:初値の受け止めについて
質問者:本日の初値は1,200円ということで、公開価格の1,120円から7パーセント上回りましたが、この受け止め方について教えてください。
前田:株価については、市場からの評価としてありがたく受け止めています。ただ、あくまで通過点と考えていますので、短期的な変動に一喜一憂せず、コツコツと成長していきたいと思っています。
質疑応答:自社の競合優位性について

質問者:コンサルティング業界の成長が見込まれる一方、非常に競争が激化していると思います。例えば、デロイトトーマツグループのようなライバル企業は、さまざまな組織再編で体質強化を進めています。
競合に対抗していく上で、貴社が強みとする「人間力」以外に、どのような優位性があるとお考えでしょうか? AIの活用などについてもお話しいただきましたが、そのあたりを含めてご説明をお願いします。
前田:激しさを増す競争環境についてですが、我々の強みである人間力以外の競争優位性は、「組織文化」だと考えています。
なぜ組織文化が競争優位性になるかと言いますと、当社の組織文化は、成長戦略を着実に実行するためのメカニズムになっているからです。この文化をさらに醸成させることによって、競合他社との差別化を今後も継続できると考えています。
質疑応答:採用フィーの水準について
質問者:人材エージェントに支払うフィーが、最近では年収の100パーセントでないと採用できないという話も聞きますが、御社のフィーはどのような水準なのでしょうか? 無理をしてでも高いフィーを支払っているのか、あるいはもう少し低く抑えられているのか教えてください。
前田:人材エージェントへのフィーについては、現在35パーセントから40パーセント程度で、競合他社に比べると低い水準になっています。
なぜ低い水準を維持できているかと言いますと、未経験者の採用を中心にしており、他社が狙わない人材プールから採用しているためです。そこがフィーを低く抑えられている要因かと思います。
質疑応答:中期的な成長イメージについて

質問者:2026年1月期の業績予想は出ていますが、2027年1月期以降のCAGR(年平均成長率)はどのようにお考えでしょうか? またそれに関連して、人員の数も並行して伸びていくのか、それとも人件費を抑えてプロダクトや仕組みで稼いでいく組織に変わっていくのか、成長率の考え方と事業の中身について教えてください。
小久江省隆氏(以下、小久江):2027年1月期以降のCAGRですが、今期については50パーセント台の成長ということで開示しています。来期以降については、6月頃に中期経営目標として開示していますが、売上高については3ヶ年平均で30パーセントから35パーセントを達成していきたいと考えています。
人員数の伸びについても、現在は月間で35名ほどの水準で中途採用していますが、今後も同じようなペースで純増を目指す予定で、年間で400人から500人を採用していくとしています。
質問者:400人から500人を採用予定ということですが、どの程度で「純増」に達するのでしょうか?
小久江:人員規模が増えると、それに応じて退職者数も割合として増えていきますので、それを差し引いて年間で420名程度を純増させるかたちを作っていきます。
月によっては50名、60名採用できる時もあると思いますので、それらを総合的に見て、これまでと同じペースで成長していきたいと考えています。
