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熊本地震と国土強靭化=三橋貴明

治療や救援の「拠点」となる建造物に早急な耐震化工事を

特に、病院や市庁舎など、実際に大地震が発生した際には治療や救援の「拠点」となる建造物は、全国的に早急な耐震化工事が必要です。何しろ、震災発生時に病院や行政機関までもが倒壊してしまうと、救援活動が大きく滞ることになってしまいます。救援の遅れは、人の命にかかわるのです。

思えば、五年前の東日本大震災発生後、藤井聡先生が「国土強靭化」の原案を書きあげ、自民党政権下で「国土強靭化基本法」が成立しました。とはいえ、現実には予算がふんだんに使われているというわけではなく、日本国の強靭化が着実に進んでいるとは言えない状況です。

そして、日本国民や日本の政治が対応しようが、対応しまいが、我が国では容赦なく大地震という自然災害が到来します。我が国で、国土強靭化に背を向ける政治家は、不要な存在です。

などと書くと、またもや想像力が欠如した思考停止勢力から、
「熊本で大地震が発生したからと言って、我田引水するな!」
と言われてしまう(2011年は実際に言われました。誰からとは言いませんが)わけですが、わたくしは別に政治家でも土木・建設業者でもないんです。

日本国が国土強靭化を推進したとして、
「ああ、日本国が安全になっていく」
と思い、安心する以外に、直接的に恩恵があるわけではありません。

そして、国土強靭化のフロー創出(所得創出)効果は、確かに疲弊した土木・建設業の雇用や所得を生み出しますが、工事の結果として残されたインフラは、ストック効果として「日本国民」を救うのです。それの何が問題なのでしょう。

何と言いますか、自分たちの心がさもしく、「利益」なしでは人間が動かないと思っているような腐った連中が、
「三橋は土建屋の手先だ!」
「三橋は電力会社の犬だ!」
「三橋は農協からカネをもらっている!」
などと、卑しいレッテル貼りをすることで、発言を抑え込もうとするわけです。絶対に、やめませんから、言い続けることを。

といいますか、土建屋の手先で、電力会社の犬で、農協からカネをもらっているって、わたくしはどんだけ八方美人なんですか。本当にそうだったとしたら、むしろ「人づきあいが巧い人だなあ」と、尊敬してもらいたいくらいですよ。

現実には、わたくしは、
「国土強靭化が必要である」
「日本のインフラ投資が必要である」
「電力自由化や農協改革は、日本国のエネルギー安全保障や食料安全保障を壊す」
と確信しているからこそ、国土強靭化を支持し、インフラ投資を提言し、電力自由化や農協改革に反対しているのです。日本のインフラが十分で、国民の防災的安全保障が確立されているならば、発言を変えますよ、当たり前でしょ。

いずれにせよ、日本国の亡国を阻止するためにも、国土強靭化を「真剣」に推進する必要があります。我が国は、国民が常日頃から「防災安全保障」について考え、具体的な行動を続けなければ、生き延びられない国なのです。

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