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自然災害大国・日本で、安全保障強化と経済成長を同時に達成する方法=三橋貴明

自然災害大国の日本で「東京一極集中」は危険極まりない。だが単に地方に分散するだけでは経済成長が止まってしまう――この矛盾を解消して、「分散」と「集中」を同時に達成する方法があると作家の三橋貴明さんは言います。

記事提供:『三橋貴明の「新」日本経済新聞』2015年12月21日号より
※本記事のタイトル・リード文・本文見出し・太字はMONEY VOICE編集部によるものです

「分散」と「集中」を同時に達成する、たった1つの方法

誰もが「被災者」になり得る日本国民

日本国民は今、日本列島に住む上で「基本的なこと」を理解する必要があります。

世界屈指の自然災害大国である日本では、国民ができるだけ「分散」して暮らし、大震災などの非常事態発生時には、互いに助け合わなければなりません。

我が国では、誰もが「被災者」になり得るのです。

そして、「助け合う」を実現するためには、各地方の国民が「経済力」を身に着けていなければなりません。ここで言う「経済力」とは、モノやサービスを生産する力(供給能力)の蓄積のことであり、おカネの話ではありません。

典型的な例を出しておくと、2013年2月の豪雪災害の際に、山梨県は衛星から見ると「真っ白」という状態になったにも関わらず、除雪車がほとんどありませんでした。すなわち、除雪の「供給能力」が存在しなかったのです。

というわけで、新潟県から除雪のプロたちが除雪車を持って駆け付け、人々を救助しました。もし、山梨県の近隣に、除雪の供給能力が全く存在しなかった場合、どうなったでしょうか。

どうにもならなかった。というのが答えです。

というわけで、日本の各地域は互いに助け合うことを可能とするため、経済成長を実現し、供給能力を蓄積していかなければならないのです。

とはいえ、経済成長の早道は、市場規模を大規模化することです。東京圏は文句なしで世界一の大都市圏です。これほどまでに人口が集中し、市場規模が大きい以上、経済効率もまた世界有数(恐らくトップ)です。

東京一極集中のメリットとデメリット

すなわち、東京一極集中は「経済成長」のためには、むしろ望ましいのです。とはいえ、安全保障上は全く望ましくはありません。

日本国は、国民の分散による「安全保障強化」と、経済圏の集中と大規模化による「経済成長」を同時に実現する必要があることになります。

そんなことができるのでしょうか。何しろ「分散」と「集中」を同時に達成せよと言っているわけで、矛盾しているようにも思えます。

ところが、現実にはできるのです。

国民を「短時間」で結びつけよ

すなわち、新幹線に代表される高速鉄道により、「各地に分散した国民」を「短時間」で結びつけることができれば、分散による安全保障強化と、集中による経済効率の向上を同時に達成できます。

新幹線で短時間で長距離をモノやヒトが移動できるわけですから、離れて住んでいても、集まって住んでいるのと同然になるわけです。

上記を理解したとき、日本全国の新幹線「網」を整備していくことが、我が国にとってどれほど優先順位が高い課題であるかが理解できるはずです。

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