東京エレクトロン社長の見方
同じようなことを発言しているのが、東京エレクトロンの社長です。
「来年から再来年はビッグイヤーズになる」という風に発言していて、この来年というのが2021年、再来年が2022年です。
※参考:(決算トーク)「来年から再来年はビッグイヤーズ」- 日本経済新聞(2021年1月7日配信)
半導体の製造に関わる各社というのがもはや目先の状況からして、これからの需要をかなり強く見込んでいるということが見られます。
有望な半導体関連銘柄は?
では、その中で有望銘柄はどれか?ということになります。
もちろん半導体メーカーが挙げられ、1位インテル、2位サムスン、3位に先程説明したTSMC、4位韓国のSKハイニックス、5位アメリカのマイクロンといったところが並んでいます。
各社それぞれ、得意分野は分かれています。インテルで言うと、パソコンとサーバー。サムスンで言うと、メモリとスマートフォン。それからSKハイニックスはメモリ、マイクロンもメモリ、そして6位に入っているクアルコムは通信設備なんかだったりします。
このように得意分野が分かれていて、その分野が伸びる時は非常に業績も大きく伸びるのですが、そうでなかった場合というのは必ずしも半導体市場全体のスーパーサイクルの恩恵を受けられない可能性があるわけです。
それに対して、半導体製造受託会社であるTSMCは、あらゆる半導体の製造を請け負っているので、ここだったらスーパーサイクルのすべての需要を取り込むことができます。
半導体業界における日本企業の強みとは?
また半導体製造会社に対して、製造装置や材料といった物を納入している会社もあります。そういった企業は、基本的には半導体の製造装置・部品・材料というのは共通しているので、どこの商品が伸びたとしても好影響を受けられます。
この半導体製造装置や材料といったところは、日本企業は非常に強みを持っているところです。
具体的に挙げますと、半導体製造装置の世界ランキングなんですが、1位アメリカのアプライドマテリアルズ、2位がオランダのASML、そして3位に入ってくるのが東京エレクトロン。そして、さらには日本企業で言うとアドバンテストとかスクリーンといったところが、半導体製造装置の会社になってきます。
先ほど説明したようにTSMCやサムスンといったところに半導体を作る装置というのを納入しています。
TSMCが2.9兆円に投資すると言いましたが、これらの会社の商品というのは間違いなくTSMCに売るということになるので、これらの会社の売り上げが伸びるということは確定的です。
さらにこの部品・材料というところでいうとシリコンウエハに関しては、信越化学工業やSUMCOの2社で世界市場の半分を占めるということになります。
半導体フォトレジスト、これに関しては日本企業がほぼ独占しています。
それからダイシングソーに関しても、日本企業のシェア100%といわれていますが、ディスコや東京精密といった企業が上がってきます。
このように本当に半導体のスーパーサイクルが来るのだとしたら、半導体製造に関わる会社というのは非常に有望ということになりまして、日本の株式市場や経済にも大きな好影響を与える可能性があるという風に見えるわけです。
したがって、日本のメーカーというのもまだまだ捨てたものではない、むしろこれから成長産業として波に乗っていける可能性が十分にあるという風に思います。