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半導体不足で自動車減産!スーパーサイクルに入る半導体関連株の勝ち組は?=栫井駿介

半導体は引く手あまた

しかし、本当に3月に回復するかどうかというのも疑問です。

半導体製造会社としてはラインを違う製品に振り分けているので、そもそも空きがないといったことも考えられます。

自動車会社としてある程度高いお金を払ってでも、この半導体を調達しなければ生産が追いつかないというような状況になってしまいました。

ここでわかることは、この半導体というのが世界中で足りていないということです。これは自動車業界に限った話ではないということになります。

というのも、最終的な製品は違うにしろ、大部分は共通のラインで作っているということになります。その共通のラインの方がいっぱいいっぱいになってしまったということは、今後は自動車に限らず、あらゆるところで半導体が足りなくなり、需要がどんどん増えていくということが考えられます。

その裏付けとなっているのが、今きているようなデジタルトランスフォーメーションという流れもそうですし、5G、AIといった様々な情報を処理する技術が発達するにつれて、情報を処理するために絶対に必要な「半導体のニーズ」です。これは長期的に見ても、ますます増えていくということが考えられます。

半導体業界は「スーパーサイクル」に入る?

自動車の需要は新型コロナの影響で一時的に減ったのですが、その後は回復していますし、パソコンやゲームなんかも順調に伸びています。

さらにはこの技術革新によって5GやAIといった需要が増えていくと、今後も半導体の需要自体がものすごく増えていく「スーパーサイクル」と言われる現象が起きるのではないかと言われています。

なぜわざわざ「スーパー」というような言葉を付けてまで説明するのかというと、半導体事業の特性があります。半導体というと実は日進月歩でどんどん新しくなっています。そのため、半導体製造会社というのは最先端の物を作ろうとして投資を行うわけですが、ものすごくお金がかかります。

したがって、投資したからにはなるべく回収したいので、どんどん各社がたくさん作ります。そして、たくさん作りすぎると、経済の行きつく末で最終的に商品の価格というのが下落してしまいますので、やがて作った分が回収できなくなるということになります。

こうやって盛り上がりと価格の下落による赤字を繰り返すのが、半導体における「シリコンサイクル」と呼ばれるものです。

このように非常に難しい業界だったのですが、今これだけ半導体が足りないということになると、需要の方が常に供給を上回り続けるわけなので、上がったり下がったりのシリコンサイクルではなくて、それを超越した「ひたすら需要が伸び続ける」というスーパーサイクルに入るのではないかということが考えられます。

その証拠となるのが、台湾のTSMCという半導体製造会社の決算発表です。
※参考:台湾TSMC、今期投資2兆9千億円 半導体需要急増 – 日本経済新聞(2021年1月14日配信)

ここで発表されたのが、今期2.9兆円を投資するということです。理由としては、まさに半導体の需要が急増したということが挙げられます。

先ほど説明したように半導体製造会社では、投資と価格下落によって減損というシリコンサイクルを繰り返してきたので、下手にたくさん投資してしまうと、その投資した分が無駄になってしまって、それが損失になってしまうということがこれまでありました。そのため、投資に関しては慎重というのが基本スタンスだと思います。

そんな中で2.9兆円という去年の60%増もの投資ということになります。TSMCというと世界最大の半導体製造受託会社ですが、この会社がこれだけの規模の投資をするということは、よほどこれからの半導体市場の見通しに明るい兆しを見ているということになります。

Next: 日本の半導体会社もかなり強気。有望銘柄は?

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