資本主義市場をやめるつもり?
株価は日銀が買ってくれるから下がらないというのは、個人投資家にとってはこの上ない魅力なのかも知れません。
しかし、相場が自律的に保有する循環機能は完全に失われ、価格で調整ができない分、日柄で調整して延々とヨコ展開する相場が続くようになるのは、まさにこの日銀のトレードのおかげともいえるものがあります。
国債(JGB)の市場は、日銀の圧倒的な買い集めのおかげで、事実上、まともな相場は完全に崩壊しています。このままでいくと、日本株の市場も、債券同様にぶち壊しになる危険性は高いと言わざるをえまえせん。
旧ソ連の計画経済を模索するなら話は別ですが、今の状態のまま、日本は資本主義の相場を続けていけるのか。かなり疑問がよぎるところです。
また、これだけ圧倒的なシェアを日銀がもっていても、株価が下がるときは間違いなく下がります。2万円を下回るようになれば、日銀は確実に債務超過となって国庫から資本金を補填することも必要になるはずで、本末転倒も甚だしい事態に陥ることが予想されます。
中銀総裁は失敗したら辞任するだけ
主要国の中央銀行総裁というのは、時の政権や議会から承認を得ているとはいえ、実に不可解な政策を行うケースが多くなっています。
しかも、ひとたび甚大な損失を被るような事態に陥っても、辞任すればそれでお仕舞い。まともな責任を取らないのが現実です。
黒田総裁の場合も、そのままこのケースに該当しています。出口のないETFの買い付けに奔走しても、あとはさっさと退任するればお役御免というのは、なんとも理不尽さを感じさせられます。