コロナ禍が終わったら困るという感情、「コロナロス」が報じられていました。株式市場にもその影響があるのでしょうか。米国ではスマホ投資家の結託が市場の混乱を招いており、これも2月相場の波乱要因となりそうです。(『高梨彰『しん・古今東西』高梨彰)
※本記事は有料メルマガ『高梨彰『しん・古今東西』』2021年2月1日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
日本証券アナリスト協会検定会員。埼玉県立浦和高校・慶応義塾大学経済学部卒業。証券・銀行にて、米国債をはじめ債券・為替トレーディングに従事。投資顧問会社では、ファンドマネージャーとして外債を中心に年金・投信運用を担当。現在は大手銀行グループにて、チーフストラテジスト、ALMにおける経済・金融市場見通し並びに運用戦略立案を担当。講演・セミナー講師多数。
コロナ禍が終わったら困る?
ニュースを読んでいると「コロナロス」が目に飛び込んできました。精神科医の話として紹介されていましたが、妙にしっくり来ます。
「コロナロス」は、「もしコロナ禍が終わってしまったら困る」感情を指します。ワイドショーやタブロイド紙などを中心とした、「負のお祭り騒ぎ」が終わるとガッカリするとのことです。
「現状維持バイアス」という言葉も出て来ました。結局、世界の人々がコロナ禍に慣れたということなのでしょうか。
そんな「コロナロス」のせいか、「ワクチン供給に遅れ」との報道をみると、変な満足感を抱く自分が居ます。
恐らくメディアも同様の感覚を持っているはずです。週末のWSJ(ウォールストリートジャーナル:Wall Street Journal)ウェブ版にもUBS(スイス大手金融機関)の話として、「ワクチン接種は年末までに10%しか進まない」という記事が取り上げられていました。
この記事、悲しいくらいスラスラ読み進みます。間違いなく私は「コロナロス」予備軍です。
中国 景況感指数PMIは低下
週末に公表された中国の景況感指数PMIが低下していました。ウイルス再流行が懸念された形です。
中国経済の回復とワクチン接種が直近の金融市場を支えた側面もあるだけに、「コロナロス」を心配する向きには「ほらね」と呟きたくなる内容です。
株高一服の口実にもなります。米ドルのレパトリ(資金の本国回帰)に対する理屈付けにも使われがちです。
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