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パリで日本人の顔に塩酸…「アジア人差別」の実態とは?米国・タイ・フィリピンの実状、海外移住経験者が語る良好な関係を築く術=栗原将

タイ・フィリピンでは、日本人はどう見られている?

私はタイに6年、フィリピンに2年暮らしましたが、日本人差別や反日といった経験は皆無です。

むしろ、まったく逆で、日本人ということで、とても好意的に話しかけてもらったり、日本は一番好きな国で、毎年の日本旅行が楽しみです、といった話もよく聞いたものです。

バンコクでタクシーに乗ったら、日本語で話しかけられたので雑談をしたら、ドライバーさんは、以前、日系企業で駐在員の運転手をしていたそう。その時、とても良い待遇を受けて、「日本と日本人がとても好きになりました」と言っていました。

また、バンコクでコンドミニアムを借りる時にも、日本人は物件オーナーの印象が良いという話しも聞いたことがあります。日本人入居者の場合、部屋をひどく汚したり、家賃未払いのうえ逃亡するようなことは極めて稀であることが理由とのこと。

フィリピンはタイほどの日本人コミュニティはないですが、仕事をしていても、日本人ということで、とても好意的に接してもらいました。

日本人は約束を守る、ちゃんとお金を払う、といった声は聞きましたね。

このように、日本人在留者の「先輩方」のおかげで、私自身、差別意識を感じることなく、とても快適なタイ・フィリピン生活を送らせていただきました。

周囲の日本人からも、差別に遭った。不快な経験をした、という声は無かったです。

行動様式やマナーの違いで批判されることはある

人種差別というよりは、言葉や行動様式、マナー意識の違いで批判されることは考えられますね。

実際に遭遇したのが、タイのコンビニで中国系男性が上半身裸で入店していたのを、タイ人スタッフが非常に嫌そうな顔で「これだから、中国人は…」とタイ語でつぶやいたことでした。

中国の一部では、このように上半身をさらして人前に出るのがフツーと認識されている様子。この男性は普段の感覚でコンビニに入店したのでしょうが、ちょっとタイでは考えられません。

タイでは、男性同士でも「裸を見せたくない」と考える人は多く、日本式の風呂・温泉がなじめないという声も聞くくらいです。ですから、コンビニに上半身をさらして入店…というのは、タイではかなり迷惑な行為になります。

あとは、タイでNGとされている行動のひとつに、子どもがかわいいからと「頭をなでること」があります。頭は「精霊が宿る場所」とされていますので、やってはいけないのです。

他にも、挨拶は「ワイ」といって、両手を合わせるものです。相手とハグする、みたいな接触は意外なほど少ないものです。

一方で、フィリピンは、アメリカに影響されたのか、かなり濃厚(?)なハグや握手をします。私自身、フィリピンからタイに戻ってきた時には、フィリピン流はタイではちょっと控えた方が良いな…と思ったものです。

Next: 差別の有無よりも大事なのは、他国の文化をリスペクトすること

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