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パリで日本人の顔に塩酸…「アジア人差別」の実態とは?米国・タイ・フィリピンの実状、海外移住経験者が語る良好な関係を築く術=栗原将

アメリカの知人曰く「10年間、何も嫌な思いはしていない」

高校時代からの親友で、ミシガン州デトロイト郊外の病院勤務(脳外科医師、大学教授)に、「日本人・アジア人ということで、差別にあった経験ありますか?」と聞いたところ、以下の答えが返ってきました。

「アジア人狩りはありませんね。デトロイトおよび周辺の街は、diversity(多様性の尊重)があって、アジア人への差別はないと思います」

「ここ10年、スーパーやレストラン等で、アジア人だからと不快な思いはしたことはありません」

このように、さきほどのフランス発の情報とは、かなり違いがありますね(ただし、知人の情報はあくまで個人の所感であり、加えて、デトロイトという都市での話です)。

Systemic racism(システム化された人種差別)は存在する?

では、欧米でアジア人への差別意識は本当にないのでしょうか?

デトロイト在住の親友が言うには、「アジア人狩り」のようなことは見かけないものの、次のような経験はあるとのことでした。

「学術界(医学会)では、白人の人々は、アジア人の書いた論文を引用することは少ないと思います。今査読している論文は、2年前に自分が書いた論文と同じコンセプトですが、引用されていません」

「白人の男性は白人の男性が書いた論文を好んで引用する、という統計結果はあります。自分の肌感覚でもそうですね」

「だから、アメリカの学会では、女性やマイノリティを増やそう、diversity(多様性)を増やそう、みたいな運動は継続的にあります。学会のシンポジウムに女性が講演者に入っていないと、そういうシンポジウムは採択されない、といったものですね」

このような感じでした。

まとめますと、

・あからさまな人種差別的行為・言動には遭遇していないものの、システム化された人種差別を感じることはある

・しかしながら、多様性を尊重しようという流れを着実に感じている。

あくまで、ひとりの知人のコメントではありますが、参考になればと思います。

Next: 差別や反日は皆無?筆者が移住したタイ・フィリピンの場合

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