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五輪相も諦めた五輪。守秘義務で資料も見せてもらえぬ「お飾り」丸川氏、二階氏の中止論に一転して同調へ

五輪担当相を務める丸川珠代氏が、東京オリ・パラ組織委員会が企業に業務委託する際の人件費単価について「守秘義務で見せてもらえない資料がある」との発言をし、「大臣が見せてもらえない資料って……」と、ネット上では驚きの声が多くあがる事態となっている。

19日の衆院決算行政監視委員会にて、立憲民主党の斉木武志氏の質問に答えたもの。組織委の人件費単価に関しては、諸手当や賞与相当額などを含め1日最高30万円というケースがあるとも報じられており、委託先による「中抜き」も大いに疑われている。

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丸川五輪相による今回の発言に対して、ネット上では「中抜きを隠すためのウソ?」といった推測も飛び出すいっぽうで、彼女は本当に何も知らないし伝えられていない、つまりは「しょせんはお飾りでは?」といった意見も。どちらにしても、開催まで100日を切ったこの段階での新たな疑惑浮上に、怒りの声はもちろんのことだが、もはや呆れてしまったといった声も多い。

中止派からも開催派からも呆れられる丸川五輪相

今年2月に女性蔑視問題で辞任した森喜朗オリ・パラ組織委員会会長の後任に、橋本聖子氏が就いたことから、その橋本氏が務めていた五輪担当相を引き継ぐ形となった丸川氏。開催が目前に迫り、これ以上の失策や停滞も許されない状況での就任だったが、その後も混迷の度は深まるばかりである。

なかでも最近特に物議を醸したのが、「日本代表選手を対象に、コロナワクチンの優先接種を可能とする方向」といった一部報道に対し、丸川五輪相が「全く検討してない」と否定した一件だ。

「報道が出たことが大変不思議」「これから先も具体的な検討を行う予定はない」と不快感を露わにした丸川五輪相だったが、ネット上では「観測気球を上げてみたものの、世論の反発が思ったよりも強かったため、否定したのでは?」というのが専らの見方。確かに、ワクチン接種スケジュールの遅れが日々報道され、さらには世界的にも日本のワクチン接種率は低く、ジンバブエやチュニジアよりも下位といったことも報じられれば、それに先んじて選手が……というのは、多くの国民にとっては心情的に受け入れ難い話だろう。

ただ、そのいっぽうでは「もし本気で五輪をやるなら、選手へのワクチン接種をすぐにでも始めるべきでは」といった意見も多くあった。しかしながら、丸川五輪相は国民からの反発を受け、すぐさまそのプランをひっこめてしまったわけで、そんな変わり身ぶりに対して「本当に五輪をやる気なのか、それともやる気がないのか」といった苛立ちの声も。今や五輪「中止派」からも「開催派」からも、丸川五輪相は呆れられているといった状況だ。

二階氏発言に同調で、いよいよ中止へのカウントダウンか

このように、開催へのタイムリミットと国民の五輪への冷静な視線の狭間に立ち、その対応にただただ苦慮するばかりの丸川五輪相。ついにというべきか、20日には「誰が見ても無理だと判断する状況になれば、やめるのが当然」という、二階自民党幹事長による例の「五輪中止」発言に関して、「ある意味当たり前のことだ」と同調したのだ。

16日に二階氏の発言に対してコメントを求められた際には、「咤激励と受け止めている」と話していた丸川五輪相。ここに来て、その発言のニュアンスを変えてきたことに対して敏感に反応する向きは多く、その意図として「いきなりの中止宣言で混乱を生じないように、段階を踏んで慣らしているところでは?」という見方が俄かに浮上している。いよいよ「五輪正式中止」が秒読み段階となったというのだ。

与党の実力者にくわえ、五輪を主導する立場の国務大臣の口からも出てきた「中止」の二文字。残すはいよいよ菅首相の腹ひとつといったところだが、とはいえ開催まですでに100日を切っており、もし仮に中止と決まったとしても、その決断の遅さ対して批判が集まることは避けれないところだろう。

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