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テーパリングは急がない。パウエル議長ほかFOMC関係者の発言で見えた日米株価の行方

FOMCメンバー発言、鳩が鳴く

なお、この日はサンフランシスコ連銀総裁のデーリー氏が発言。「景気回復について自分は強気で、テーパリング議論を開始すべき基準に向かって景気は回復している」としながらも、「現時点ではまだその水準に達したわけではない」。しかし「その水準に達した時に向けでテーパリング議論を始める準備をすることは適切」と述べた。

まだテーパリング云々で市場が動揺するのは早いと牽制しつつ、テーパリングの文言を徐々に出すことで「軟着陸」(将来的にいきなりテーパリングという言葉が出て市場が動揺するのを避けるために今のうちから小出しにしてる)を狙っていると思われますね。

昨日の時点では大きな反応はありませんでした。が、こういう発言がその他のFOMCメンバーから続くと予想します。

あと波乱(?)だったのはビットコイン。この日は5ヶ月ぶりとなる3万ドル割れで手仕舞い売りが嵩んだことを示した。ただ、急速な下げの自立反発と金融緩和継続思惑から3万3,000ドルまで戻すなど上下動が激しくなっている。

以下、昨日のFRB関係者(主にハト派)発言まとめです。

<先述サンフランシスコ連銀総裁 デーリーさん>

「景気回復について自分は強気で、テーパリング議論を開始すべき基準に向かって景気は回復している」としながらも、 「現時点ではまだその水準に達したわけではない」。しかし「その水準に達した時に向けでテーパリング議論を始める準備をすることは適切」

先述の通り 「軟着陸」発言です。

<クリーブランド連銀総裁 メスターさん>

「景気回復はテーパリングの条件をまだ満たしていない。テーパリング議論を始めるためには夏以降の雇用回復を見る必要がある」

つまり、インフレには「多少目を瞑っても」雇用回復を優先させるべきで金利は上げないという「ガチガチのインフレハト派」的発言です。 たとえ3%のインフレが来たって雇用回復のためには受け入れて何があっても金融緩和を続けよう路線です。 この人たちはおそらく企業業績がインフレで多少悪化しても雇用が一番大事と考えています。あくまで雇用優先で、株価はそれほど重視していないと僕は考えます。

<ニューヨーク連銀 ウイリアムズ総裁>

「インフレは一時的で雇用回復にはまだ時間がかかり利上げ議論は程遠い」

これはパウエル議長とほぼ同じ路線ですね。 インフレはあるけど、落ち着くはずだからまだ慌てるな、と。まだ金融政策を帰るには至ってないよ、です。逆にいえばインフレがやっぱり止まらないならタカ派に変わる可能性がある人たちです。

あと、パウエル議長は議会証言で「インフレ上昇は経済活動再開に伴う需要と、まだ十分に回復してない供給サイドの一時的なもの」。一定時間の後冷却すると予想されるため、 今の段階でインフレを制するために先制的に(予防的に)利上げすることはないと。

今の段階での早期政策変更を考えていないことを再度強調しています。この辺は議長自身はドットチャートの中央値よりも後ろにテーパリングや金利上げを考えていることを暗に示唆しています

全体的に昨日としては「テーパリングを急いでいないんだな」という発言が多く、債券高株高につながったと言えるでしょうね。

Next: ナスダックは最高値を取ってきた。米株市場はどう動く?

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