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日本株のバーゲンセールに乗り遅れるな。FRBが躊躇しても「民間版テーパリング」で祭りの予感=藤井まり子

FRBに取って代わって「民間版テーパリング」が起こる?

もし、この夏、パウエルFRBが7月末日のテーパリング発表をためらうようならば、「パウエルFRBのテーパリング」に取って代わって、この夏、「民間版のテーパリング」が巻き起こることでしょう。

「民間版のテーパリング」が起こるのか?折しも、FRBは6月FOMCで「リバースレポ・ファシリティー」に0.05%の付利を決定。すると、このファシリティーに、今では1兆ドル規模の短期マネーが短期金融市場から待避、FRB内部に豚積みされ始めています。

利にさとい金融のプロフェッショナルたちが、確実だとは言え、リスクテイクを控えて、わずか0.05%の付利を目当てに、毎日1兆ドル規模もの短期マネーをせっせと行ったり来たりさせてい
るという現実は、本当に驚愕すべきことです。

本来ならば、パウエルFRBは、市場期待を裏切ってでも7月28~29日のFOMCで唐突にテーパリングを発表しなければなりません。遅くても8月末日のジャクソンホールでテーパリングを発表すると予告しなければなりません。

しかしながら、もし、パウエルFRBが来たるべき7月末のFOMCでテーパリング発表をためらうようならば、ためらうパウエルFRBに代わって、民間部門がさっさと行動に打って出ることでしょう。

すなわち、民間部門がためらうことなくその「短期マネー」をさらにFRB内部へ待避、「豚積み」を積み増すことでしょう。

民間のじゃぶじゃぶマネーが「FRBのテーパリング」に代わって、市場メカニズムを通じて短期金融市場の金利を押し上げるわけです。かくして、この夏、「FRBのテーパリング」に取って代わって「民間版のテーパリング」と言うべき現象が起きそうなのです。

夏から秋にチャンス到来?日本市場に波乱が起こる

この夏、「FRBによる早期テーパリング」が始まるのか、「民間版のテーパリング」が起きるのか?夏から秋にかけてのグローバル株式市場では、「波乱」が巻き起こりそうです。

この夏から秋にかけて、10%前後の大幅調整かそれ以上の「波乱」は、近いでしょう。

繰り返しになりますが、山っ気のある人は、この夏、日経平均が2万7,500円あたりに下落してPERが14.0倍を切るたびに、すなわち日経平均がバーゲンセールになるたびに、日経平均を買い支えてもOKかもしれません。しかし、この夏は、日経平均を長く保有してはいけないかもです。

日本では、「国内政治の安定性」や「菅政権の求心力」が疑われています。日本の政治経済は「先進国のそれ」ではなくなりつつあります。日本は「元先進国」に落ちぶれつつあります。

この「認めがたい現実」に否応なく直面させてくれたのが、「求心力をすっかり失った菅政権」でしょう。

この夏から秋にかけて、日本株式市場は当面は「グローバルな市場の波乱」に翻弄され続けることでしょう。

救いは、与野党間で「バラまき合戦」が始まりそうなことです。自民党も野党に対抗して「30兆ドル以上の景気刺激策(ヘリマネ)」を準備している模様です。しかしながら、求心力を失った菅政権は老獪な日本財務省の反対を押し切って「30兆円規模のバラマキ」を実現させる実力が残っているのでしょうか?

Next: 2021年末、日本経済は「最後の最後の輝き」を放つ?

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