fbpx

日本株のバーゲンセールに乗り遅れるな。FRBが躊躇しても「民間版テーパリング」で祭りの予感=藤井まり子

FRBは市場期待を裏切ってテーパリングを開始できるか?

「楽観シナリオ」に狂いが生じ始めています。

夏から秋にかけて「波乱」が予想されます。アメリカ株式市場およびグローバルな株式市場では、10%前後か、それ以上の大幅調整が予想されます。

リスク許容度の低い人は、当メルマガでも以前からお伝えしたように、10%くらいポジションを圧縮しておくのがよいかもしれません。ただし、「ゼロポジション」にはしないほうがよいかもしれないと考えています。市場はものすごい勢いで乱高下します。次の上昇局面に乗り遅れたならば、目も当てられません。

調整を予想していますが、それは30%以上の下落をするバブル崩壊「ではない」と見ています(目下のところイールドカーブは健全で異常なし)。秋には、内外ともに大バーゲンセールが始まることでしょう。ビックチャンスが来るのではないでしょうか。

7月13日発表の「アメリカの6月の消費者物価指数」は、総合では前月比プラス0.9%、前年同月比プラス5.4%、コアでは前月比0.9%、前年同月比4.5%と、マーケット予想を大きく上回る上昇でした。

さらにさらに、翌日7月14日発表の「アメリカの6月の生産者物価指数」では、総合では前月比プラス1.0%、前年同月比プラス7.3%、コアでは前月比1.0%、前年同月比5.6%と、市場予想を大きく上回る、もっと驚くべき上昇率でした。生産者物価指数は一歩遅れて翌月の消費者物価指数に繁栄されます。

8月半ばに発表される「7月の消費者物価指数」は、おそらく前年同月比では総合で6~7%、コアで5%以上の上昇を示すことでしょう。アメリカではインフレが火を噴き始めているのです。

特に、アメリカでは住宅価格が前回のサブプライムバブル期を上回るバブル状態。この住宅価格の急騰を受けて、賃貸住宅の家賃価格が上昇、低所得者の暮らしが圧迫されています。家賃は一回値上げされると向こう1~2年は変更されることはありません。

FRBは早急に手を打たなければならない場面に来ています。

これほどの物価上昇を受けたならば、FRBはいつ君子豹変してもおかしくありません。いや、君子豹変しなければなりません。

7月28日~29日のFOMCでは、パウエルFRBは「少なくともMBA(住宅ローン債権)」についてはテーパリングを想定外に「前倒し」することを発表してくる可能性があります。あるいは、この日、「どんなに遅くても8月末日のジャクソンホールまでにテーパリングを発表する」ことを予告してくるかもです。

このとき、アメリカ株式市場では再び「一時的な混乱(2~3%程度の調整)」が巻き起きて、日本の日経平均はさらに「翻弄される」可能性があります。

楽観シナリオに変化

さて、アメリカは「集団免疫の形成」には失敗し始めた模様です。ここにきてアメリカでは、ワクチン摂取率が55%あたりで天井を打ち始めています。

「アフターコロナ」時代は当面訪れず、人類は向こう2~3年は「数々のコロナウィルス変異種と人類とのイタチごっこ」のような「ウィズコロナ」時代に甘んじることになるかもしれません。

アメリカ経済は力強い拡大基調にあるものの、その成長率は第2四半期(4−6月期)に頂点を付けています。今後の「ウィズコロナ」時代では、その成長率は穏やかにスローダウンしてゆくことが見込まれています。

アメリカの実質GDP成長率は、2021年の7.0%から2022年には3.3%へと減速して行くものと予想されています。

今のパウエルFRBは、「ピークを打つ成長率」と「いっそう燃えさかるインフレ」との間で「難しい選択」を迫られています。

もしかすると、パウエルFRBは、「高めのインフレは一過性」の「デタラメなマントラ」を唱え続けて、「目先の市場期待」に応えるかのように、「燃えさかるインフレ」を放置して、7月末日FOMCでのテーパリング発表や予告をためらうかも知れません。

「燃えさかるインフレ」を放置することは、兼ねてからお伝えしておりますように、いま現在進行形の株式ブームを短命化するリスクをはらみます。なぜならば、近い将来FRBは利上げに次ぐ利上げの「急ブレーキ」を踏まざるを得なくなり、株式ブームを弾けさせてしまうかもしれないからです。

Next: FRBに取って代わって「民間版テーパリング」が起こる?

1 2 3 4
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー