ロボアドバイザーの仕組みはどうなっているのか?
投資すべきかどうかの是非は後述するとして、まずはロボアドバイザーの仕組みを説明します。
「AI(人工知能)を活用して」というと、ものすごい複雑なコンピューターの処理があって、そこに出てくる結果としてこういった運用が出てくるのではないかと思われてしまいがちですが、実際のところはすごくシンプルな内容となっています。
簡単にいうと、以下の2つで説明できます。
1つ目は、質問に答えてリスク許容度を判定する。2つ目は、リスク許容度ごとに7種類のETFを組み合わせる。これがこのロボアドバイザーのすべてというところになっています。たったこれだけ?と思う方もいるかもしれませんので、もっと踏み込んで見てみましょう。
まず、1つ目の「質問」ですけれども、口座を開設する時に、投資者の属性について6つの質問が行われます。その6つとは「現在何才ですか?」それから「年収はいくらですか?」そして「金融資産はいくらですか?」さらに「毎月の積立額」を聞いてきます。
この投資は積み立て投資を前提としていますから、毎月の積立額、それから資産運用の目的、そして、もし株価が1か月で20%下落したら、「追加投資したいですか?それともむしろ資金を引き揚げたいですか?何もしないですか?」といった質問が行われます。
この6つの質問からランク付けして、リスク許容度がを1〜5段階に設定(5がリスク許容度が高いところ、1が最も低いというところ)されるようになっています。
すなわち、この6つの質問から出てくる結論としては、このリスク許容度が1から5というところしかありません。これは実はAIでもなんでもなくて、ただプログラムが組まれているだけだと思います。
皆さんチャートのアンケートみたいなものを見たことないでしょうか。何かを聞いてYESとNOで比べてYESだったらこっちへ進んで、NOだったらこっちに進んでという仕組みで、最終的に例えばこういう性格ですよ、みたいな性格診断とか。よく使われるやつだと思うのですが、そういう仕組みを見たことがありますよね。
これと、今の説明したようなものと、ほとんど変わらないというものなのです。AIというほどのものはないのではないかな?という風に考えています。
さらに進めて見てみましょう。
投資内容はどう決定する?
どうやって投資するのかというと、7種類のETFの中から選ぶということになっています。
それは、米国株VTI、日欧株(VEA)、新興国株(VWO)、米国債券(AGG)、物価連動債(TIP)、金(GLD)、不動産(IYR)というものになっています。
ETFとは上場投資信託と言われるもので、いろんな株を一纏めにした商品です。まとまったものを上場、すなわち市場で誰でも取引できるといったものになっています。
この7種類のETFを組み合わせて、リスク許容度に応じて5つのパターンがあるということになります。
これが最初に投資する金額を割合で割り振るのですが、この組み合わせのパターンは5つしかありません。
複雑なことではなくて、先程のアンケートのようなものでリスク許容度を判定して、それで許容度1だったらこの割合、2だったらこの割合、3だったらこの割合というのが決まっています。
それを自動的に当てはめて、その人が答えたような割合になるように資産を振り分けるという、たったこれだけのことなんです。
すなわち、AIと言ってはいますが、なんら複雑のことはやっていない、シンプルで簡単なことを行っていると言えます。