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ロボアドバイザーは手数料の無駄?それでも大多数の投資家に有益である理由=栫井駿介

大多数の人はロボアドバイザーを使ったほうがいいかもしれない

大多数の人におすすめする理由として、何より「預金よりマシ」というところがあります。

預金金利は直近のものをチェックしましたが、みずほ銀行10年定期で0.002%と、どう考えても増えません。

それに対してロボアドは、平均的な株式とか債券とかそれらを合わせたリターンが6%程度という風に考えられます。もちろん長期でのリターンに対して1年平均ということです。それに対して手数料1%を概算で持っていかれるというところですから、5%ぐらいのリターンは想定されるのではないかなというところです。

「貯蓄から投資へ」という流れありますけれども、いずれも1回、この口座を開いてしまえば後は何もすることもありません。何もしないのだったら、預金に置いておくよりも、ロボアドに入れておいた方がいいのではないか?というところがあります。

それを自分で組み合わせることもできるのですが、その後もNISAの手続きとかもありますし、その手続きを1%でやってくれるなら安いという風に考える人もいるという風に思います。

さらに特徴は、リバランスで最適化できるということです。リバランスというと先程割合のパイチャートを示しましたが、これで割合が高くなり過ぎたところは、元の設定の割合に合わないからその部分を減らして、別のところに適正な割合なるように移し替えるというものです。

これの何が良いかというと、取れるリスクに応じて割り振っていますから、それがズレるということはリスクを取り過ぎているという風には考えられます。

また、この割合が増えたということはその資産、株だったら株の価格が値上がりしているということなんです。もしこれがバブルだとすると、そこから1回値上がりしたものは、また下がってくるっていうことになります。割合が増えているということは、もしかしたら価格が上がりすぎている、ということになるかもしれません。

そんな時は、この上がっているものから自動的に売るという作業になります。そして価格が下がっているものに入れ替えることによって、トータルでのパフォーマンス、つまり値下がりを回避することができる可能性があるというところであります。

これを自分でやろうと思ったらけっこう大変なので、やはり、1%手数料を払っても良いのではないかという風に考えられるかもしれません。

それから、悪手から身を守るという手もあるのではないかと思います。個人投資家は、考えて積極的に売買しますけれども、その多くは上手くいかない、下手なタイミングで買って、下手なタイミングで売ってということを繰り返すということが珍しくありません。

それに対して、このロボアドのように、ETFを持っているだけで、ある程度のリターンが上がるのだったら、やはりそっちの方がいいのではないかなという風な考え方もあります。

もっというと、少なくとも手数料3%ぐらいする投資信託もあります。それを買うよりも余程マシだという風に思われますし、自分で投資していたらどうしても高リスクの高すぎるものを買いたくなってしまう気持ちが生まれるのですが、ロボアドをやっているから、下手な損失や変な商品を買わなくて済むというところはあると思います。

したがって、自分で積極的に運用したいという気持ちがないのだったら、やはり大多数の人にとっては有益なサービスであるという風に私は考えます。

ロボアドバイザーはあくまでも次善の策

ベストを目指すなら…やはり「下手に動かないのが吉」ということだと考えます。

運用会社のフィデリティは2003年から2013年に顧客のパフォーマンスを調査した結果、成績の良かった人の属性の第1位はなんと「亡くなっている人(すなわち売買をしていない人)」、そして2位が「運用しているの忘れている人」だったと言います。

このロボアドバイザーの特徴としましては、何もしなくていいというところもあります。何なら、口座にログインしてその中身を見る必要すらありません。

それが結果的には良いパフォーマンスを生み出す可能性があるという風に考えて投資を行う、それだったら十分だという風に考えるわけです。

ただし、私はベストではないと考えています。投資して放置することは、あくまで次善の策だと考えています。

なぜかというと、先程リバランスの話をしましたけれども、株が上がってきたら債券に移し替えてということをするのですが、長期のパフォーマンスを見ると、この黒がトータルリターンストップ・インデックス、すなわち株価の配当を再投資した時の数値です。

これは50年のチャートですが、これを見ると圧倒的に株の方が債券を大きく上回っています。

どういうことかというと先程リバランスといって、株を減らすというようなことをしたのですが、確かに短い時間、数年とかの単位で言うと、リーマンショックやITバブルの時のように一気に半分近く下がるということまではあり得るかもしれません。しかし5年・10年・20年という単位で見たら、やはり株の方が必ず上がっているという事実は揺るぎません。

したがって、リバランスなんかしなくても、ひたすら株だけに投資していた方が期間が長くなればなるほど儲かりやすいという風なことが言えます。

Next: 長期投資なら株のほうがパフォーマンスは上になる

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