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低PERに固執して大失敗。バリュー投資家が「5年で2倍」の高成長株を掴む方法と選定基準=栫井駿介

「5年で2倍」を達成した企業は?

この5年の平均のEPS成長率というところですが、具体的にこの年間5.9%、それから14.9、21.7、27.2と、どういう企業が達成しているのかというのを知っているとイメージが湧くと思います。
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これは福利ですから、毎年平均で25%以上成長し続けるというのは容易ではありません。

ただそういった企業も中にはあるので、ぜひ次の例て見ていただきたいのですが、6%に関しては、多くの企業が達成しているのです。

だからこそPER10倍とかの中で、成長率はそこそこの銘柄を見つけ出すのは、それほど難しくないです。

これがバリュー投資が人気を集めている1つの要因でもあります。

その中で、過去5年間に関して年率6%以上というのを達成しているわけです。

ヤクルトも地道な会社のイメージがあります。ヤクルトとか綜合警備保障、ツルハドラッグ、それからHOYA、そして日本電産も、この辺に収まってきます。

その前が結構伸びてたのですが、実は最近は6%程度ということです。

さらに15%ととなりますと、これはPER15倍だったら、2倍以上達成できそうかなというところなのですが、それでもいわゆる高成長企業といわれるところが入ってきます。

信越化学工業や、リクルート、そしてニトリと、この辺が年率15%ということなので、将来PERが15倍に戻るならという前提なんですが、5年で2倍というリターンを達成したければ、15倍よりも安い価格では買いたいというところであります。

さらに22%では、ワークマン、ライオン、エステートと、似たような会社になってしまいました。

けれども例えば20%以上となると、ワークマンはかなりの成長株ですよね。

ここまでにならないと、年率20%の成長は達成できないことは、1つ肝に銘じていただいた方が良いと思います。

このEPSがずっと伸び続けるというのはそんな簡単ではない、一方で、もし見つけたらかなり銘柄の選択肢が広がると言えるかもしれません。

27%以上では、神戸物産とかIRジャパンというところもあります。

1つ異質なのが、ソニーです。

かなりの大型株ですが、ソニーはずっと伸び続けたというよりは、色々試行錯誤してきたことによって、まさに復活銘柄としてここに来ているわけです。

こういった企業だったら、仮にPERが今現時点で30倍で同じような成長が続くのだったら、現在のPER30倍ぐらいであっても、十分、5年で2倍とというリターンが期待できると言えます。

結論として言えることは、とにかく割安な成長株を買えということです。

一番大切なのは冒頭でも言いましたが、長くなればなるほど利益の成長がどれだけ続くかが大切になってきます。

そういったしっかりした素晴らしい企業を、少しでも割安な価格で買いたいとのです。

もちろん割安株がダメではなくて、成長株が割安で置かれているなら、これ以上に良いことはありません。

ただその割安な成長株を見つける基準として単純にPERが安いというだけでは、見つからないので、このPEGレシオや、先ほどのグラフみたいな5年で2倍を達成できるかどうかを一つ目安にしていただければ良いと思います。

これをやっていただくことによって、単純な割安株だけではなくて、割安で成長する株をきっと見つけ出せることになってきます。

(※編注:今回の記事は動画でも解説されています。ご興味をお持ちの方は、ぜひチャンネル登録してほかの解説動画もご視聴ください。)


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image by:Denphumi / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2021年8月29日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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