すでに国内店舗数は頭打ちか
今後については、国内の成長余地の見極めが必要です。まだまだ売り上げの90%を国内需要が占めていますから、ここの新規出店やM&A通じた店舗数の拡大は、これから見ていかなければならないかと思います。
ドン・キホーテの成長余地は見極めるには、店舗の拡大余地がどれほどあるのかというのが非常に大事です。今国内で600店舗ですから、それがどこまで伸ばせるのかいうところには、注目しないといけません。
ちなみにユニクロが国内でおよそ800店舗、ワークマンが1,000店舗ですから、この辺がやはり1つの分水嶺になるのではないかと思います。現在、600店舗ということを考えると、それほど成長余地は大きくはないかな、というところではあります。ただ、業態が違えばドンキとユニー(「アピタ」とか「ピアゴ」)はまた別物ですから、そこは必ずしもバッティングしないところもあります。
今後の成長は海外進出の成否次第
さらには、海外進出の成否です。
今はまだ売り上げの10%程度ですけれども、M&Aでアメリカのスーパーを買いました。これを上手く運営していけるかどうかは、今後の見通しを考えるうえで非常に重要です。
いずれにしても、マッキンゼー出身の吉田CEOの手腕が試される展開になっています。
エムスリーの谷村さんはマッキンゼーの出身だったりしますから、上手くやれば相当な成功も期待できます。この辺を見極めていければと思います。
今は買い時か?
さて株価の水準ですが、PERが今期の予想で23.9倍というところです。
そんなに株価が跳ねることもなくて、大体20倍ぐらいの水準で、あとは業績にしたがって上手く右肩上がりになってきた状況です。そもそも、この数字自体も高くありませんし、上手く業績を伸ばせるようなら、まだまだ上昇余地は十分にあると考えられます。
問題はそれだけの経営の実力があるかを、最終的には見極めていこうということになってきます。買いを検討するには、決して悪い状況ではないということは申し上げておきます。
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『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2021年8月31日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。