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河野太郎“新首相”ならアベ疑惑が明るみに?総裁選が派閥を破壊、安倍vs二階の代理戦争へ=斎藤満

派閥の統制が利かない総裁選へ

ところが、麻生派は自分の派閥に所属する河野氏を支持するのは若手議員で、ベテラン議員は岸田支援と、すでに割れています。

麻生大臣や幹部は、安倍前政権からの政治的しがらみがあり、安倍氏の陣営の候補を支持するほかなく、今回は安倍氏に配慮する姿勢を見せている岸田候補を支持する方針と言われます。しかし、ここには依然不確定要素が大きく、最後に安倍氏とたもとを分かつ可能性も否定できません。

その他の派閥も、当選3回以下の若手議員が、自分の選挙のために好ましい「顔」が必要として、派閥の意向に従わず、自由投票を求める声が増えています。

しかも、総裁選では無記名投票なので、誰が裏切ったかはよほどのことがない限りわかりません。

このため、今回の総裁選では従来のような派閥力学が働きにくくなっていて、議員の個別事情により左右されやすくなっています。

世論調査では河野優勢

その点、最近のメディアによる世論調査の結果が注目されます。

日本経済新聞、朝日新聞ともに、次の自民党総裁にふさわしい人物を挙げてもらった結果は、1位が河野太郎ワクチン担当大臣、2位が石破茂元幹事長、3位に岸田前政調会長、4位に高市前総務大臣となっています。

このうち、自民党支持層でみると、トップの河野氏は変わらず、2位に岸田氏、3位に石破氏となっています。

このうち、石破氏は総裁選に出馬しない意向を一部に伝えていると言い、石破氏が河野氏を支援する可能性があります(編注:原稿執筆時点2021年9月15日)。安倍陣営としては、石破氏が立候補して党員票が河野、石破で割れることを期待していましたが、石破氏が河野支持に回ると、党員票がかなり河野氏に入り、場合によっては1回目の投票で河野氏が過半数を獲得して当選する可能性があります。

安倍陣営は「反河野」キャンペーンを展開か

これを阻止するために、安倍陣営としてはメディアを使い、反河野キャンペーンを展開する可能性がありますが、米国がすでに安倍・麻生体制に見切りをつけている可能性があり、メディアの攻勢にも限度がありそうです。

今の流れであれば、決選投票となっても、議員票の多くを河野氏が確保して勝つ可能性が高いと見られます。

世論調査では次の総理に、安倍・菅政権の路線を踏襲すべきかどうか聞いたところ、踏襲すべきでない、との答えが58%に上り、ここから脱却を求める声が大きいことを示唆しています。

その点、岸田候補は自民党支持層の中で2位につけていましたが、当初の情報開示、分配の見直しを打ち出した後、安倍氏の顔色を窺って軌道修正し、限りなくアベノミクスにすり寄ったことが、逆に岸田支持を失う結果となるかもしれません。

Next: 河野太郎“新首相”なら安倍陣営は苦境に。数々のアベ疑惑が暴かれる

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