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河野太郎“新首相”ならアベ疑惑が明るみに?総裁選が派閥を破壊、安倍vs二階の代理戦争へ=斎藤満

安倍陣営(細田派・清話会)は、高市・岸田どちらに転んでも権勢を維持できるように動いてきましたが、総裁選で河野氏が勝つと、安倍陣営の影響力は大きく低下します。結果として、これまでの「もり・かけ」「桜」「赤木ファイル」「1億5千万円」問題などが明るみに出る可能性もあります。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)

※有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2021年9月15日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。

総裁選は安倍・二階の代理戦争

自民党総裁選が17日告示、29日投開票の予定で進んでいますが、誰が次の総理になるのか、もちろん今の日本には重大な問題ですが、その裏で大きな戦いが展開しています。

つまり、岸田前政調会長と高市前総務大臣を推す安倍・麻生・甘利のいわゆる「トリプルA」組対、河野行革担当大臣を推す二階幹事長・菅総理の連合軍の戦いという構図になります。

河野大臣は麻生派に属しますが、麻生大臣は河野氏に出馬断念を申し出ました。派閥のメンバーが立候補すれば、本来派閥としてそれを支援するのが筋ですが、これまで安倍・麻生ラインで築いてきた形が、「河野総理」で破壊されるリスクを恐れたためです。

しかし、麻生派の中にも河野大臣を推す人が少なくなく、結局河野大臣は麻生派を割る形で立候補を表明しました。

二階幹事長とすれば、自分のポストを奪った岸田候補は許せず、河野大臣を支持する形になりますが、菅総理も安倍前総理の片腕であった今井氏が岸田候補の戦略作成に関わったことを裏切り行為と見ています。

結局、安倍麻生陣営対二階菅陣営の戦いとなり、その駒となったのが前者の岸田・高市候補、後者の河野候補ということになります。

総裁選は「派閥」次第

これまで総裁選では派閥の統制が大きな意味を持っていました。

最初の投票は議員票383票と党員票383票の合計766票の争奪で、ここで過半数をとれば決まりです。

しかし、3人以上の候補者が立ち、票が割れると上位2人の決選投票となります。その場合、今度は議員票383票と党員票は都道府県代表の47票に減ります。

従って、決選投票となると、俄然議員票が重要で、派閥がモノを言います。

実際、かつて1回目の投票では党員票を多く集めた石破氏がトップでしたが、決選投票では派閥票を確保した安倍氏に逆転され、敗れた経緯があります。

このため、決選投票にもつれ込む場合には、派閥勢力が大きな力を発揮し、大きな派閥の支持を得る候補が有利になります。従って、細田派、麻生派の支持がモノを言います。

Next: 派閥の統制が利かない総裁選へ。安倍陣営は反河野キャンペーンを展開か

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