第1位:TOTO
私の主観ですが、直接的に影響度の大きい企業のランキング1位は「TOTO」です。
TOTOというとトイレを作っているあのTOTOです。なぜ影響が多いのかというところなんですが、売上高で見ると中国は2021年3月期時点で14.7%となっています。
そんなに大きくないと見えるかも知れません。
実際に先ほどのランキングで見ても16位というところなので、50%近い所がある中でそんなに大きくないようにも見えるかもしれません。
ところがこのTOTO、トイレですからどういった時に需要が発生するのかというと、一番大きいのはやはり家を作る時にトイレを作るので、それ以外ではそんなに大きな需要というのは発生しないわけです。
ここで不動産バブルが崩れて新しいマンションが作られないと、需要が当然落ちてくると考えられます。
さらに中国におけるTOTOの位置付けはかなりの高級品です。日本以上に高い価格で売っているというところがあります。
売上高はこのようなグラフになっているのですが、その結果中国における利益を見ると、なんと日本が52%なんですけれども、中国での利益もかなり大きくなって28.9%と3割近い利益となっています。
中国での利益率が高いというところですが、これがそもそもこのマンションにトイレを設置するという需要がなくなる可能性があるうえに、先ほど高額消費が難しくなるという話をしましたから、今TOTOのトイレというと中国では贅沢品なので、それに対する需要というのは、当面今のような政策が続くのであれば厳しいのではないかと考えられます。
実際に株価もこれを受けて大きく下落していまして、それでこの中国恒大の影響が騒がれるようになってからもガクンと落ちて、年初来マイナス3パーセントという数字に進んでしまっています。

TOTO<5332>日足(SBI証券提供)
したがってTOTOは比較的安定した会社であるとは思いますが、やはりこの中国の利益に依存していた部分というのはあったので、今後は注意が必要になってくるかと思います。
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