fbpx

客を悪質クレーマーに豹変させる5大NGワードとは?「土下座しろ」「社長出せ」への正しい対処法も=神岡真司

お客さまを悪質クレーマーに豹変させる「5大フレーズ」

「クレーム(苦情)」を持ち込むお客さまが怒り出しかねないのは、次のようなフレーズになります。

・疑いフレーズ……「お客さん、それってホントですか?」
・対等フレーズ……「それってマジすか?」「うっそー!」
・他人事フレーズ……「それ、使い方が悪いのじゃ……」
・開き直りフレーズ……「レベルはこの程度のものですよ」
・責任回避フレーズ……「なにぶん新人の説明ですから」

サービス側が、不用意にも、こんなセリフでの対応をしてしまったら、お客さまはすぐさま怒りを覚えるでしょう。

お客の側にしてみれば、クレームをわざわざサービス側に伝えるだけでもストレスなのですから、お客の主張を疑ったり、タメ口での対応や、不親切な言い方をすれば、「何だ、その態度は!」などと怒らせてしまいかねないわけです。

その辺は十分に注意が必要なのです。

海外とは異なる日本のクレーム対応

まずは、お客さまの主張を真摯に傾聴する姿勢が大事なことと言えるのです。

お客さまの苦情に対しては、最初からクッション的な意味合いで、「いつもご利用いただきありがとうございます」と“感謝”を口にしてアプローチし、次にクレームに対して、「これは大変申し訳ございませんでした」などと“謝罪”の言葉をかけることから始めなければなりません。

一般に外国のクレーム対応では、因果関係が判明し、「サービス側に非がある場合にしか謝罪はしない」――というケースが多くなっています。

一方、日本ではまず、お客さまの言い分を尊重することが求められるため、はじめにお客さまの主張を尊重して謝罪を述べること――それが一般的な消費者対応として習慣化されています。

ここを間違えると、最初からトラブルの元になりますから、くれぐれも用心してください。

続いてお客さまの話に耳を傾けながら、「大丈夫でしたでしょうか?」などと“気遣い”し、「おっしゃる通りと思います」「ごもっともなお話です」と“共感”し、「お客さま、どのようにいたしましょうか?」と“受容”を示し、「今後は二度とこのようなことがないように」と“自省の意”を表し、最後に「この度は、本当にご迷惑をおかけして大変申し訳ございませんでした」と“謝罪”で結ばなければならないのです。

これが、通常のクレーム対応です。

通常クレームであれば、謝罪の上、相互信頼の話し合いで、「サービス不備のお詫び」「商品の修理対応」「商品の交換対応」「返品・返金対応」「弁償対応」などといった形で収まるものです。

「悪質クレーム」は撃退するしかない

しかし、悪質クレームになると、サービス側のこうした対応では馴染まないことが発生していきます。たとえば、次のような例です。

・謝罪しても「それでは納得いかない。納得いく対応をしてくれ」と執拗に粘り続ける
・大声で怒鳴り、非難を続ける
・「ああ言えばこう言う」式に話を展開し、絡み続ける
・暗に金品を要求する
・「土下座して謝れ!」「社長を出せ!」「詫び状を書け」などと要求する
・毎日サービス現場に登場し、皮肉や嫌味をスタッフに言い続ける
・ホームページに謝罪文の掲載を要求する
・「納得いくまで帰らない」とその場に居座り続ける

こうした常軌を逸した要求を行う悪質クレーマーには、対応に不慣れなスタッフほど、どうしてよいかわからず、疲れ果てて、要求に屈してしまうことさえ起きかねないでしょう。

では、アサーティブな対応としての「悪質クレーマ─の撃退法」はどんな形で行えばよいのか、事例を中心にいろいろと見ていきましょう。

Next: 「どうしてくれるんだよ! おいコラ!」には質問返しが有効

1 2 3 4
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー