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中国仮想通貨「全面禁止」でもビットコインは死なず。超大口投資家が強気を維持するシンプルな理由=高島康司

億万長者のオーランド・ブラボーの見通し

パリハピティヤと同じような見通しをしているのが、オーランド・ブラボーだ。

ブラボーは大手プライベート・エクイティ会社、「Thoma Bravo」の共同設立者だ。ブラボーはビットコインに対して非常に強気であり、暗号通貨全般が 「大幅に値上がりする 」と予想している。

彼は、「暗号通貨はまさに素晴らしいシステムです。摩擦がありません。分散化されています。そして、若い人たちは自分たちの金融システムを求めている。だから、ここに留まるのだ」と述べ、強気の観測を披露した。

ちなみにブラボーの純資産だが、9月29日の時点で63億ドルだ。彼はプエルトリコ生まれの初の億万長者と言われている。

そしてブラボーは次のようにも言う。

「私にとってこの予想は、とてもシンプルなことです。将来的には、今よりも多くの人が(暗号通貨)を使うようになり、より定着していくでしょう。機関投資家はまだそこに行き始めたばかりで、それが実現すれば、何年か後には大幅に増加すると思います。私はとても強気です」。

非常に楽観的な見通しだ。

電力問題も解決間近?火山マイニングとソーラーマイニング

ところで、ビットコインの先行きに弱気な予測の根拠のひとつになっているのが、マイニングが消費する膨大な電力だ。

現在、多くの国々では火力発電やガス発電がメインなので、これが放出する地球温暖化ガスが温暖化の進展を助長させる要因にもなっている。そうした懸念から、ビットコインのマイニングが嫌煙され、一部ではビットコイン離れが進む背景にもなっている。

マイニングの電力を少なくする方法を開発するか、または環境に優しいマイニングの新しい方法を模索しなければならない。

そうしたとき、こうしたマイニングの環境問題を解決する方法が試されている。それを実施しているのは、ビットコインを法定通貨に定めたエルサルバドルだ。

同国のブケレ大統領は、火山を利用したマイニング(ボルケーノード)はまだ試運転段階にあると述べつつ、その成果を報告した。3万円相当の0.0059BTCが火山の地熱発電のマイニングによって採掘された。ブケレ大統領は、9月29日に火山熱を利用したマイニングの取り組みが「第一歩」を踏み出したと投稿した。

また、こうした環境に優しいマイニングはアメリカでも進展している。中国で暗号通貨マイニングが規制される一方で、アメリカでは暗号通貨マイニングへの投資が積極化しているが、それと同時にソーラーなどの環境に優しい発電が利用されつつある。

暗号通貨マイニング会社の「Argo Blockchain」は、テキサス州西部に建設中のマイニング施設用に2万台のマイニングマシンを購入する。マイニングマシンは2022年第2四半期(4-6月期)からテキサス州西部のデータセンターで稼働予定。同社は今年3月、データセンターの用地を購入した。

そしてこの施設は、併設された太陽光発電や風力発電の施設から電力が供給される計画になっている。環境にはクリーンなマイニングだ。

このように、マイニングの電力を再生可能エネルギーでまかなう方向は急速に大きくなりつつある。これまでマイニング業者は、安い電力の供給地を探してマイニングセンターを建設していたが、今後は異なった動きになる可能性が高い。各地にマイニング専用の再生可能エネルギーの発電施設ができ、これによってマイニングが行われる方向に進むかもしれない。

これまで、地球環境破壊の懸念からビットコイン離れが進む懸念はあったが、今後この懸念が緩和し、大きく変化する可能性がある。いずれにせよ、ビットコインの相場にとってはよいニュースだ。

Next: 悪材料も続々。フランスが悪徳業者をリストアップ、規制強化の動き

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