900万食販売「うどん弁当」は常識破りのヒット商品
いきなり丸亀製麺は「うどん弁当」という大ヒット商品を生み出したのでしょうか? いいえ、ヒットが生まれる土壌を、自ら地道に作っていました。
丸亀製麺は、コロナの感染拡大により、2020年4月より専用容器によるテイクアウトを開始し、順次全国展開しています。それに加えて、20年6月よりモバイルオーダー開始し、ロードサイド店全店に導入を完了しています。
この時点でテイクアウト比率13%台でしたが、引き続き中食ニーズの取り込みを強化し続けていました。その中で、4月に新商品の「うどん弁当」を展開したことで、テイクアウト比率を20%台へ、グッと引き上げることに成功しています。
コロナ禍で、テイクアウトやモバイルオーダーに対応した企業が生き残った話は、すでに他の外食企業でも事例があります。それに加えて、新商品もカギを握っています。
ところで、皆さんは「うどん弁当」のネーミングをサラッと聞き流していませんか。「うどん」+「弁当」です。コシが命のうどんにとって、「弁当」は相性が悪いはずです。
丸亀製麺と言えば、全店舗で国産小麦粉・塩・水で毎日麺をつくり、だしや天ぷらも手づくり・できたてにこだわり続けています。そんな、丸亀製麺にとって、弁当はハードルが高い商品なのです。
売れる土壌を自ら育てた丸亀製麺
実際に、商品開発には試行錯誤を繰り返して、「うどん弁当」に入れるおかずは100品以上試食するなど、努力を続けた結果、できあがった商品なのです。
「うどん弁当」は作り置きするのではなく、注文ごとにつくることで、打ち立て・茹でたてのうどんと、手作りの天ぷらのサクサク感も損なわずに提供することを可能にしました。
「うどん弁当」の発売以前から、早くにテイクアウトをはじめたことや、モバイルオーダーを取り入れたことで、「うどん弁当」の新商品を投入した際に、スムーズに商品を提供できる“インフラ”が丸亀製麺にはできていたのです。
「うどん弁当」は「2時間以内にお召し上がりください」と記載のあるように「生もの」なのです。その思いは「どこで食べても、丸亀食感」であって欲しい。
コロナで店内での飲食が憚られる日々が続き、それでも、できたてのツルっとコシのあるうどんを食べたい人々の胃袋と心を満たすことができたのです。
「うどん弁当」は従来型のテイクアウトの、どれにしようかな?という「選ぶ楽しさ」と「手軽さ」を大事にしたことで、より多くのテイクアウト需要の取り込みに成功しました。
いまだ、人気が衰えることのない「うどん弁当」。
今後は、テイクアウト専用窓口を設置し、よりスピーディーな提供を続けていく予定を発表しており、貪欲なまでに、改善を続ける姿勢です。