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丸亀製麺「うどん弁当」爆売れ!他社がマネできぬ味の秘密。“中食”制覇で業績V字回復、韓国スピード撤退の裏に常識破りの経営力=馬渕磨理子

丸亀製麺、韓国から撤退。ハワイ店は絶好調

丸亀製麺は海外にも店舗を展開しており、昨年までに世界12カ国に進出し、その店舗数は1,000以上にも及びます。

しかし、地域によって明暗が分かれています。

韓国は撤退。2012年にソウルに第1号店をオープンしたのを皮切りに、主要都市を中心に12店舗を展開してましたが、日本製品不買運動の煽りを受け、最後は新型コロナウイルスによる営業制限が追い打ちをかけ、今年の8月15日に韓国から撤退しました。

しかし、日本企業の韓国撤退は、丸亀製麺だけではありません。20年にファーストリテイリングが展開するGUが韓国進出を早々に撤退を表明し、明洞に構えていたユニクロの超大型店舗も閉店させています。そのほか、日産も、インフィニティブランドと共に韓国市場から撤退することを発表していることから、厳しいのは丸亀製麺だけでなかったと言えるでしょう。企業努力だけでは、どうにもならない事情も当然あります。

一方で、丸亀製麺はハワイでの回復が目覚ましいようです。アメリカのワクチン接種は、日本よりも早く進んだこともあり、経済の再開も早かったことで、一気にコロナ以前の水準を超える勢いで稼働しています。決算説明資料によれば7月時点で過去最高月商を記録したと報告しており、いち早く経済再開の恩恵を受けています。

出典:トリドールHD決算説明資料

出典:トリドールHD決算説明資料

コロナで、テイクアウトや中食のニーズを捉えることは飲食業界であれば、どの企業も取り組みを強化しています。その中で、一つ頭を抜けるためには「スピード感」と「できない思い込みを取り払う」ことなのでしょう。

当然、地政学的にどうにもならない事情に巻き込まれることもありますが、丸亀製麺のV字回復は通常の経済活動の中であれば、企業努力が無駄にはならない証明でもあります。

「うどん+弁当」という業界人であればあり得ない、「常識を覆す力」こそが企業の原動力なのでしょう。そこに、人々のニーズがあり、喜ぶ顔がイメージできれば突き進む。

経済が再開に向かい、厳しい冬の時代から一筋の光が見えてきたかに感じられる中で、丸亀製麺のさらなる快進撃を見守りたいです。

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image by:Gage Skidmore at Wikimedia Commons [CC BY 3.0], via Wikimedia Commons
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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2021年10月12日)
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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