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フューチャーリンクネットワーク、通期で増収増益 商品開発・パートナー拡大の投資強化で中期的成長を加速

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2021年10月15日に行われた、株式会社フューチャーリンクネットワーク2021年8月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

目次

石井丈晴氏(以下、石井):あらためまして、フューチャーリンクネットワークの石井でございます。本日はご視聴いただきありがとうございます。2021年10月14日に発表しました、2021年8月期の通期決算についてご説明したいと思います。

初めて聞いていただく方もいらっしゃると思いますので、あらためて事業内容を簡単におさらいしたいと思います。次に2021年8月期の業績ハイライト、そして今後の成長戦略、2022年8月期の業績見通しという順番でお話しします。最後に、今後の取り組みについて代表的なものをいくつかご紹介して、私からのご説明というかたちにしたいと思っています。

事業内容・会社概要

最初に、事業内容のご説明をします。フューチャーリンクネットワークは2000年3月に創業した会社です。本社は千葉県船橋市にあります。

事業内容・企業理念

創業以来、「地域活性化を継続的かつ発展的事業の形で実現することで、社会に貢献する。」という企業理念を愚直に守って、事業を発展させてきました。

事業内容・創業背景

そもそもどうしてこのような企業理念の会社を始めたのかについて、お話ししたいと思います。創業した2000年がどのような時代だったかを振り返ると、いろいろなことが起きたのですが、インターネットが黎明期を迎え、まさにこれから普及し始めるという時代でした。

もう1つの現象として注目していたのが、クーポンビジネスがちょうど流行り始めたタイミングだったということです。ビールが500円安く飲めるお店を探せるような非常に便利なサービス、すなわちクーポンマーケティングが流行り出してきたのがこの時期です。

また時を同じくして、フランチャイズチェーン店が一気に広がってきた時代でもありました。私どもにとってインターネットの普及とクーポンマーケティング、そしてチェーン店の普及というのは決して無関係ではなく、因果関係のあるものだと考えています。

全国どこに行ってもおいしいものが安く、安心なサービスが受けられるというのは、確かに非常によいことです。確かに、福岡でも東京でも、日本中どこに行っても同じものという、画一的で安価なサービスにもメリットがありますが、「消費者ニーズは本当にそれだけで満たされるのだろうか?」という問題意識を持ったのが、創業のきっかけの1つです。

本当は、画一的なサービスと同じくらい、多様性あるサービスにもニーズがあるのではないでしょうか。「ビールが500円安く飲める」というのも価値の1つですが、その一方で、東京から離れたところで、東京では見られない景色を見たり、ビールは東京より500円高いかもしれないが、そこでしか味わえない醍醐味があったりというような、多様性あるコンテンツも流行っていくのではないかと考えました。

そもそもインターネットという社会インフラは、多様性あるコンテンツが花開くものではないかと思います。折しも2000年頃は、検索エンジンや情報デバイスを開発するベンチャー企業が次から次に出てきました。GAFAを代表とするサービスはその頃に生まれてきたのですが、どれほど検索エンジンや情報デバイスが高度化しても、そこに載せるための魅力あるコンテンツがなければ、おもしろさも半減するのではないでしょうか。

多様性あるコンテンツを広げ、地域を元気にしていくことに大きなビジネスチャンスがあるのではないかと考えたのが、創業のきっかけの1つです。

もう1つは社会課題です。その頃から、少子高齢化ということが若干言われ始めてきました。日本の人口は減っていきます。もちろん人口を増やせるに越したことはないのですが、なかなか簡単に解決できる問題ではありません。

人口が減っていくのに、画一的で安価なサービスでスケールメリットを追い求めるだけでは、日本の国力はますます減衰していくのではないでしょうか。特に地域は、人口が減るのであれば、より一層付加価値を高めていかなくてななりません。

500円安くビールを提供するよりも、500円高いかもしれないが、そこにしかない価値や、東京から遠くてもそこでしか見えない景色を浮き彫りにしていくことによって、日本全体をマクロ経済学的にも成長させることができるのではないかと考えました。

この社会課題と市場の関係を合わせた時に、付加価値ある情報を流通させることによって、地域を活性化していき、これを継続的かつ発展的事業のかたちで実現するというテーマに出会い、創業して今に至るというのが当社の事業です。

事業内容・3つの事業セグメント

今、当社は3つのセグメントで事業を進めています。地域情報流通セグメントは、まさに地域情報プラットフォームを運用し、付加価値を流通させる事業です。公共ソリューション事業は、その地域情報プラットフォームを使って、国や自治体とパブリックな課題の解決を行っていく事業です。

マーケティング支援事業は、同じく地域情報プラットフォームを使って、特に大手企業のエリアマーケティングを支援する事業です。この3つのセグメントで、事業を進めています。

事業内容・地域情報プラットフォーム

では、地域情報プラットフォームとは何なのかをご説明します。我々の会社は、地域情報サイト、ポータルサイト「まいぷれ」を運営している会社だとよく言われますが、我々にとって正確な説明ではありません。地域情報プラットフォーム「まいぷれ」を運営している会社だと自認しています。

プラットフォームとは何なのかをご説明します。スライド8ページのイメージ図をご覧ください。左側にある「地域の付加価値情報」では、イベント情報・コミュニティ情報や、地域のお店・施設の付加価値情報を、我々の足で集めて編集し配信していきます。

編集した先には多様な情報の出口があります。その中の1つが「地域情報サイト まいぷれ」なのであり、「地域情報サイト まいぷれ」を通した情報発信のみにこだわっているわけではありません。検索エンジン、SNS、デジタルサイネージ、TV、イベント、AI、ロボットなどいろいろな手段があります。

多種多様なチャネルで集めてきた「地域の付加価値情報」を、多種多様なデバイス、多種多様な出口より発信することで、「地域の付加価値情報」を流通させ、地域を活性化していくのが、我々の地域情報プラットフォーム事業です。

イメージ図の右側に記載した「付加価値情報」とは何なのかご説明します。もし、ビールが500円安く飲めるお店を探すならば、他のデバイスやチャネルでお探しください。500円高いかもしれませんが、ここにしかない価値、こだわり・特徴として、魅力があるビールの情報を集めてお届けしていきたいというのが、我々の地域情報プラットフォームが提供する「付加価値情報」の考え方になります。

このプラットフォームを、​​現在全国46都道府県、764市区町村、289サイトで運営しています。これが当社の事業、地域情報プラットフォーム「まいぷれ」です。

事業内容・事業の収益構造

では、このプラットフォームを使ってどのように収益を上げているのかについて、最初に収益構造からご説明していきます。スライド9ページの図のとおり、中央に地域情報プラットフォーム「まいぷれ」があります。右側のオレンジの部分が、地域情報流通事業です。

「まいぷれ」のロゴの部分から、下の地域事業者へ矢印が伸びています。我々が直接運営する地域において、我々の社員が地域の事業者を訪ね、彼らのお店や事業内容の付加価値情報を取材します。ここにしかない価値、あるいは、このサービスの魅力を我々が取材していくのです。

この情報を、プラットフォームを通じてその地域に住むユーザーや、その地域を訪れるユーザーに配信していきます。この情報配信の対価として、プラットフォーム利用料を頂戴しているというのが、事業の原型です。

イメージ図の右側に「運営パートナー」とあります。我々の直営地域以外では、全国に根差した運営パートナーに、我々が直営地域で培ったノウハウやシステムを提供することで、各パートナーがそれぞれの地域で、同じように地域の事業所で営業を行っています。彼らは、それぞれの地域で利用料を頂戴し、その中から我々がロイヤリティをいただいています。直営地域および全国の運営パートナーと一緒に運営しているのが、地域情報流通事業になります。

イメージ図上側に青色で示した公共ソリューション事業では、地域情報プラットフォーム「まいぷれ」を運営している体制を使い、国や自治体の課題解決を行っています。

公共ソリューション事業の中で2021年8月期に1番売上比率が大きかったのは、ふるさと納税BPOです。公共ソリューション事業では、このふるさと納税BPOをはじめ、我々の地域情報プラットフォーム「まいぷれ」を使った、国や自治体の課題を解決するソリューションを提供し、その対価として委託費や手数料を頂戴しています。

イメージ図左下に緑色で示したマーケティング支援事業は、地域情報プラットフォーム「まいぷれ」を使って、主に大手の小売流通企業、不動産事業者、自治体などのマーケティング支援を行うセグメントです。我々がエリアマーケティングの支援を行うことにより、その対価として販促費やプロモーション費をいただきます。

この3つのセグメントそれぞれの収益事業で運営しているのが、当社の収益構造になります。

事業内容・地域情報流通事業

それぞれのセグメントをもう少し細かく見ていきたいと思います。地域情報流通セグメントは、先ほど紹介したように、全国の運営パートナーと一緒に運営しているのが特徴です。全国の運営パートナーは、9月1日時点で154社で、北は北海道から南は石垣島まで、それぞれのパートナーが地域に密着して運営しています。

この点が、よくあるデジタルマーケティングツールを提供している会社と我々との大きな違いです。各地域に運営者がいることにより、特にITリテラシーの低い中小事業者にも寄り添って、我々がラストワンマイルの存在であることの価値を発揮できています。

「まいぷれ」をご利用いただいている事業者の中には、ITリテラシーが高くなかったり、Webマーケティングの経験値が多くなかったりする方もいらっしゃいます。僕らが寄り添い、「まいぷれ」というプラットフォームでWebマーケティングの機会を提供することによって、地域の中小事業者のDXを担っている面もあります。それぞれの地域に密着している点と、全国でノウハウを共有しシステム化する点が、地域情報流通事業の強みです。

事業内容・公共ソリューション事業

続いて、公共ソリューション事業について細かくご説明します。先ほどご説明したとおり、地域情報プラットフォーム「まいぷれ」の情報流通技術、地域に根ざした運営体制、ノウハウを活用して、官民協業モデルのかたちで課題解決する事業です。

我々は、自治体の仕事を入札で落札し、年度末に納品して単発で終えるといった事業体をほとんどとっていません。基本的には、継続的かつ発展的に国や自治体の課題を解決し、運用まで関わらせていただき、民間企業として我々も利益を得続ける官民協働の形態を特徴としています。

一番代表的なのが、ふるさと納税BPOです。よくふるさと納税の寄付受付サイトを運営しているのではないかと勘違いされてしまいますが、それは違います。

我々はまず、地域の生産者や農家、メーカーへ取材に行き、ふるさと納税を始める時に必要となる商品開発や物流、PRについて彼らに寄り添いサポートしていきます。我々が集めた情報を、それぞれのふるさと納税の寄付受付サイトにアップロードしていきます。その結果、寄付が集まりさらに地域の魅力を発信できるといった事業体になります。

事業内容・マーケティング支援事業

マーケティング支援事業についてご説明します。地域情報プラットフォーム「まいぷれ」のプラットフォーム自体、ないしは「まいぷれ」を運営することで培ったノウハウを使い、主に地域にエリアマーケティングを行いたい大手企業や自治体の、販促支援やマーケティング支援を行う事業です。

昨今、新聞をとる世帯が減っています。エリアマーケティングをするチャネルがどんどん少なくなっていくなかでも、エリアマーケティングをしたい小売事業者や不動産事業者は非常に多いのが現状です。このような企業に対して、地域情報プラットフォーム「まいぷれ」自体、ないしは「まいぷれ」の運営体制を使って支援していくというのがマーケティング支援事業です。

2021年8月期 業績ハイライト・決算サマリー

業績ハイライトをご説明します。先日公表しましたが、2021年8月期は売上高13億4,900万円、前年同期比18.9パーセント増、営業利益1億円、前年同期比128.5パーセントで終えました。

2021年8月期 業績ハイライト・P/L

マーケティング支援事業が前期比10.2パーセント減というなかで、地域情報流通事業および公共ソリューション事業という2つの事業が成長を牽引したというのが全体的な特徴です。

販管費も増加していますが、事業成長に繋げるために必要な投資だと考えています。業績予想に対して売上高は100パーセント、営業利益率は115.8パーセントに着地しました。

緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置による影響は受けましたが、その影響をもともと加味した事業計画だったため、見込み通りに成長いたしました。

2021年8月期 業績ハイライト・売上高推移

全体の数字をもう少し細かく示したスライドがこちらです。まず左側の売上高推移のグラフからご説明します。ご覧のとおり、地域情報流通事業および公共ソリューション事業ともに大きく増やすことができました。

マーケティング支援事業は、残念ながら新型コロナウイルスの影響を受けており、若干苦戦しているところです。右側のグラフは季節要因を反映したものです。地域情報流通事業はほとんど季節要因がありませんが、ご覧のとおり、公共ソリューション事業セグメントは第1四半期、第2四半期が若干偏重気味です。公共ソリューション事業セグメントの中の、ふるさと納税BPOがどうしても年度末に集中するために、このような推移になっています。

2021年8月期 業績ハイライト・営業利益とセグメント別利益の推移

営業利益とセグメント別利益の推移です。左側のグラフが経年変化です。ご覧いただくとわかりますが、利益で見ると地域情報流通事業が大きく増えています。地域情報流通事業は非常に限界利益率が高い、SaaS型のモデルであるため、非常に利益率が伸びています。新型コロナウイルスの影響を受けて以降、マーケティング支援事業は苦戦の状態になっています。

右側のグラフは四半期別の推移です。こちらも前述のとおり、売上同様に第2四半期が若干偏重気味になっています。

2021年8月期 業績ハイライト・主な費用の推移

主な費用の推移です。当社は人件費が大きな比率を占めています。地域情報プラットフォームの拡大・開発のためです。人材および広告には積極的に投資しているところです。

2021年8月期 業績ハイライト・B/S

B/Sです。この度上場したことで、自己資本比率が大きく改善しています。それぞれセグメント別にもう少し細かく見ていきたいと思います。

2021年8月期 業績ハイライト・トピックス 地域情報流通事業

地域情報流通セグメントは先ほどお話ししたとおり、売上高4億7,400万円、前年同期比20.5パーセント増、営業利益が2億4,100万円、前年同期比で99パーセント増となりました。

いくつかの要因がありますが、1つ目は、「まいぷれプラットフォーム利用料」の単価が1年間で4,142円から4,915円に確実にアップしたことです。こちらの数字はベンチマーク上、当社の直営エリアの数字でご説明しています。

また、昨年の2月、3月までは、運営パートナーの開拓やご案内については、ローカル線を乗り継いで各地域を訪ね歩き、「ぜひこの『まいぷれ』事業に新規参入しないか」と、直接お話することが我々の営業手段のメインでしたが、新型コロナウイルスの影響により、訪問することがまったくできなくなりました。

非常に心配した部分でしたが、コロナ禍の中で、運営パートナーのご案内をオンラインに変え、ネット上で事業の特徴、魅力、可能性を知ってもらう動画アーカイブをたくさん揃え、我々の事業を理解いただき、契約いただくという営業スタイルにスイッチしました。これが非常に奏功し、35件の契約を獲得することができました。前期より運営パートナーが21社増加して154社体制になっています。

2021年8月期 業績ハイライト・トピックス 公共ソリューション事業

公共ソリューション事業です。売上高6億2,900万円、前年同期比34.4パーセント増、営業利益1億5,500万円、前年同期比22.9パーセント増でした。ふるさと納税の自治体数が前期は37自治体でしたが、33自治体に減少してしまいました。しかし、受託自治体に関与した寄付額は41億円から49億円へ大きく増やすことができました。

当社の強みでもある、圧倒的な地域密着運営体制により各種施策が寄付額増加へとつながったと考えています。また先期より消防庁や加古川市での実証実験による防災情報配信の事業へ参画が行われています。

後ほど詳しくご説明しますが、地域共通ポイントの浸透を目的に、現在は決済端末を配布していますが、端末コストのかからない二次元コード型の決済ポイントシステムを自社で開発し、リニューアルしています。

2021年8月期 業績ハイライト・トピックス マーケティング支援事業

マーケティング支援事業セグメントです。売上高2億4,500万円、前年同期比10.2パーセント減、営業利益900万円、前年同期比75.4パーセント減となっています。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、大手小売チェーンの販促事業は回復途上ですが、その影響を前提とした事業計画を策定したため、業績は予想どおりに推移しました。

今後の成長戦略・パートナーネットワークの拡充

今後の成長戦略についてご説明します。我々が成長戦略の中心に据えているものを、スライド左上の循環図で示しています。まず左側の「地域情報PF(プラットフォーム)の価値向上によるMRR増加」ですが、地域情報プラットフォーム「まいぷれ」のサービスレベルや機能を上げることによってMRRを増加させていくという戦略です。

「まいぷれ」プラットフォームによる収益が上がってくると、「運営パートナーの増加」に繋がります。「まいぷれ」の収益性が上がると、既存の運営パートナーが2エリア目を広げてくれたり、新しいパートナーが参入する障壁を下げたりすることができ、さらに運営パートナーが増加します。運営パートナーが増加することで、「リーチ可能な地域の拡大」を進めることができます。

我々は、各地域に運営者がいることを強みにしているため、地域情報流通セグメントにおけるサービスを提供するエリアが増えていくと同時に、地域に「まいぷれ」を運営する体制があることを他社にはない圧倒的な強みとしており、公共ソリューション事業でも結果を出せています。

その結果、「まいぷれ」の運営パートナーが増え、リーチ可能な地域が増えると「公共ソリューション提供地域の増加」に繋げることができます。これによりさらに利益を上げ、また地域情報プラットフォームの価値向上に繋げることができます。この循環を成長戦略の中心軸に据えています。2022年8月期には運営パートナーは187社、1展開エリア数は857市区町村という計画で進めています。

今後の成長戦略・地域情報プラットフォームの価値向上

次に、地域情報プラットフォームの価値向上についてご紹介します。1つ目が、我々の1番大きな情報の出口の1つである「地域情報サイト まいぷれ」のリニューアルです。

プラットフォームの中で最も多くの情報接点を生み出している「地域情報サイト まいぷれ」について、地域の付加価値情報を「認知する・興味を持つ・行動する・リピートする・ファンになる」というサイクルを生み出すためのデザインに変更します。我々が考える付加価値情報を流通させることや、多様性が花開くといったことを、最も体感できるポータルサイトへのリニューアルを計画しているところです。

もう1つが「まいぷれアナライザー」のリリースです。地域におけるプロモーションや集客において、重要性を増しているローカルウェブマーケティングの効果的な実施を支援するためのマーケティングツールです。特に、Googleマイビジネス(GMB)の活用結果等を分析し、効果的に運用することができることを強みとしており、さらに「地域情報サイト まいぷれ」との連動により情報の発信から分析までを一元的に実施可能にするツールです。

比較的ITリテラシーの低い地域の中小事業者にも、非常に安価かつ高機能なウェブマーケティングツール、機会を提供できるものと考えています。

今後の成長戦略・公共ソリューションの進化:ふるさと納税事業の取り組み拡充

公共ソリューション部分での成長戦略をお話ししたいと思います。まず、ふるさと納税事業の取り組みの拡充です。従来から力を入れている「返礼品の開拓」は、これこそが我々ならではのサービスだと思っています。地域に寄り添い、地域をまわる体制があり、付加価値を取材するノウハウ・知見があるからこそできることです。

新たに受託した地域においては、この地域にどのような魅力があるのか、どのような返礼品があり、どのようなストーリーがあるのかを、我々が開拓します。その上で、商品化を生産者に寄り添って支援していきます。

取材した付加価値情報を「ふるさとチョイス」をはじめとする、ふるさと納税の寄付受付サイトにアップロードし、結果として寄付額を増やし、地域のシティプロモーションをお手伝いするというのが、我々の中心施策であり強みです。これで結果を出すことによって、受託自治体数を積極的に増やしていくというのが、当期の成長戦略です。

実際に、2022年8月期に入ってから、新たに6自治体にご縁をいただいて運営を開始しているところです。

今後の成長戦略・公共ソリューションの進化:新地域ポイントシステムへのリプレイス完了

同時に、今期の大きな目玉の1つになるのが、公共ソリューションにおいて新地域ポイントシステムへのリプレイスを完了させることです。先ほどご案内したように、2021年8月期に新地域ポイントシステムの自社開発が完了しています。現在地域ポイントを展開している8エリアすべてでリプレイスしていく予定です。

2022年8月期には移行工数が見込まれますが、この移行によってサービス価値の大きな向上が図られるとともに、翌期以降は原価圧縮にも大きく貢献すると考えています。

2022年8月期 業績見通し・通期業績予想

2022年8月期の業績見通しのご案内です。2022年8月期は、売上高15億3,100万円、営業利益1億100万円、経常利益9,700万円で計画しています。売上高は前期比13.5パーセント増、売上総利益は前期比16.7パーセント増というかたちの事業成長を見込んでいます。

中期的な成長加速のために、今回の上場で調達した資金を、プラットフォーム開発への人材投資・新サービスの拡販やパートナー拡大のための広告投資に使いたいと思っています。これによって、売上高は大きく伸びますが、営業利益は前期比0.4パーセントの増益と、ほぼ横ばいのかたちにとどまる計画で、今期は進めたいと考えています。

Appendix・今後の取り組み

最後に、今後の取り組みをご紹介したいと思います。今期の業績への影響は軽微ですが、中長期的な業績向上、そして我々の企業理念の実現のために取り組んでいることについて、代表的なものをいくつかご紹介したいと思います。

まず1つ目が、旧金谷小学校の利活用事業です。今、全国に廃校がどんどん増えています。学校は地域の中心地点にあり、コミュニティの中心地ですが、それが廃校になっていくと、地域の利便性のみならず、文化の継承などの多くの問題が起こります。

廃校が生まれるにもかかわらず、少し離れた郊外にはスーパーができます。そこが賑わいを見せていることから考えると、進め方によっては、この廃校を非常に価値のある中心地にすることができるのではないでしょうか。

コミュニティの中心地を町の中心地に取り戻すことによって、いわゆる地域の再活性化に貢献するのみならず、非常に大きなビジネスチャンスを生むことができるのではないかと考えています。この金谷小学校の利活用事業を通して、廃校の利活用事業を模索する取り組みを始めていきたいと思っています。

2つ目は、IPDCを活用した災害情報伝達手段事業です。これは消防庁から委託を受け、実証実験として始めているもので、地上デジタル放送波を使った災害情報の配信です。昨今、台風や大雨等の災害の時に、一部の環境下においては防災無線が聞こえないことが問題になっています。一方、地上デジタル放送では、まだ電波帯が空いています。これを使って、もっと有効に、よりシームレスに災害情報を配信できると考えています。

かねてから、我々は災害情報配信に関しては知見を持っており、そこを評価いただいて実証実験をしています。この地上デジタル放送波を使った災害情報配信、IPDCの活用事業に関しては、まだ今期は実証段階になりますが、いずれサービス事業化に向けて動いていきたいと考えています。

3つ目が、情報銀行の活用です。各プレイヤーがいろいろなシーンで情報銀行の活用を模索していますが、我々は地域のラストワンマイルの担い手として、この情報銀行を地域においても活用できるのではないかと考えています。

健康・医療分野などの個人情報と、自治体が保有する情報を組み合わせることによって、地域生活を進めるにあたって、個人により適したサービスを提供できる仕組みができないか、大日本印刷と一緒に実証事業を進めているところです。

今後の取り組みを3つご紹介したところで、私からのご説明は以上とさせていただきたいと思います。

質疑応答:ここ数年で利益が急拡大した背景について

質問者1:御社は2000年から事業をがんばってこられましたが、ここ数年で急速に売上や利益が拡大しているように見えます。この数年で成長が拡大してきた背景には、どのような変化があったのでしょうか?

石井:当社がこの「まいぷれ」事業を始めてから、パートナーの1号目ができたのは2005年でした。当時はパートナーのことを「運命共同体」と言っていました。

それまではどのような体制で各地域で運営すればよいのか、我々が営業所を出すのは我々のポリシーからして違いますし、代理店がよいのかという模索が何回もありました。そのような中で島根県出雲市に、今もご一緒いただいているパートナー制度の1号目が生まれました。

その後、翌年にパートナー1社、また翌年にパートナー2社と、年間数社単位で少しずつ増えていく中で、「どうすればパートナーを育んでいけるのか」「どうすれば新しい商品を作れるのか」と模索しながら進んできました。

ちょうどまさに今ご指摘のあった数年前から、ようやく「パートナーをどのように口説いていけばよいのか」「どのようにして彼らと一緒に伴走していけばよいのか」「どのような商品であれば、リテラシーが決して高くないパートナーも導いていけるのか」の1つの答えが見つかってきたのだと分析しています。

その結果、3年、4年前くらいから毎年数10社単位でパートナーの新しいご縁をいただき、そしてそれぞれのパートナーが採算を取るまでが早くなってきました。その点がこの数年で変わったことの1つだと思います。

また、官民協働事業は、2006年に川崎市さまとご一緒いただいたのがスタートです。当時は「日本で初めての官民協働事業だ」とメディアには書いてもらいましたが、官民協働事業というスタイルを始めたものの、多くの自治体さまからなかなかご理解いただけませんでした。

ところが、国策で「地方創生」と言われ始めた頃から、官民協業、地域活性化が急に議論の中心地点になってきて、より多くの自治体さまからお話を聞いていただく機会が増えてきました。

少し偉そうに聞こえるかもしれませんが、パートナーの広がりの加速化と官民協働事業に関する理解が進んだことが、我々の事業の進捗を大きく早めたことの要因ではないかと考えています。

質疑応答:地域の市場を開拓する際のリスクについて

質問者1:地域の市場を開拓していく際には、なかなか難しい部分やリスクなどがいろいろあると思います。御社は、リスクやハードルをどのように留意して、潰しているのでしょうか?

石井:ローカルマーケティングに参入するIT起業家の多くは、地域独自の考え方についていけない点を問題視しているとよく言われます。

おっしゃるとおり、例えば商工会議所とどう付き合うのか、商店街組合はどのような意思決定の考え方を持っているのか、地域の論理や力関係はどうなのかについては、たしかに難しい部分があります。

当社自体が千葉県船橋市という「中途半端な田舎」に本社があるのは、我々の大きな強みの1つだとあらためて思います。我々はこの船橋を中心とした一部地方では直営を行っていますが、直接商店街組合と向き合い、商工会議所と向き合い、経済の力学と向き合って運営してきました。

このノウハウがあるため、全国のパートナーに「地域とはこのように付き合ったほうがよい」と経営アドバイスやスーパーバイジングができると思っています。地域と向き合うという意味での経営ノウハウ、運営ノウハウを持っている点は、他にはない、とても大きな強みだと思っています。

地域と向き合うのは得意としているため、リスクとは考えていません。どちらかというと今一番のリスクとして我々が考えているのは、国策が変わることです。

地域活性化などどうでもよい、むしろ「東京、大阪、名古屋に集中すればよい」という国になった場合には、我々の役割が大きく減衰しますので、それが一番のリスクだと考えています。

質疑応答:IPOのタイミングと、今後の事業展開について

質問者2:2点おうかがいします。1点目が、この8月にIPOをされたと思うのですが、なぜこのタイミングだったのかお聞きしたいと思います。

2点目が、漠とした質問で恐縮なのですが、社長のご経歴を拝見すると。リクルートご出身で、リッチマーケットを見つけてビジネスをスタートさせるのが得意な方という印象を持ちました。

そのような方が、地方のマーケット、地方企業向けのビジネスを見つけてIPOまで持っていったと理解しています。地方の中小企業向けのビジネスに限らないのかもしれませんが、そのビジネスのポテンシャルとして社長がどのようなところまで見据えているのか、現状ではポテンシャルというレベルかもしれませんが、お考えをうかがいたいと思います。

「地域の中で眠っているものを使って」というのは、そうだと思うのですが、逆に地方なだけに、海外と繋げた方がおもしろい部分も出てくるのではないかと思います。ベンチャーなどではあるのかもしれないですが、「地方と海外を繋げる」ということを進めている上場会社は、あまりないという印象を持っています。

「その地域のものを活かす」というのは当面の戦略かとお見受けするのですが、その次のステップとして、どのような部分を見据えているのかをお聞きしたいというのが、2点目の質問です。

石井:最初に、2点目の質問からお答えさせていただきます。まず、恥ずかしながら、私はリクルートは3年で飛び出してしまったため、リクルート卒業生ならではの優れた営業力や優れたビジネスセンスを持って卒業したという認識を持っていません。

しかも人事部配属だったため、実はリクルートで営業をしたことがありません。そのような中で創業したのはなぜかというと、使命感や理念の方が大きかったというのが正直なところです。

「少子高齢化」「地域がおもしろくなくなっていくのはどうなのだろうか?」と思ったところが問題意識として大きく、ビジネスチャンスを見つけて、育てていくというよりは、この事業をかたちにすることによって社会に貢献したいというのが創業からの思いで、21年間、愚直に事業を続けてきて今に至るというところです。

では、どう考えているのか、どのようなビジョンでいるのか、その理念から始まって、この先どうなっていくのかについては、長期的には、少子高齢化の中における地域の活性化モデルを海外に輸出したいと思っています。

日本に続いてアジア各国に、少子高齢化は続いてくると思います。世界もそうかもしれませんがアジア各国、東南アジアにはじまり、韓国はもう追い抜きそうですが、フィリピン、タイ、マレーシア、イスラム圏のインドネシアですら少子高齢化が始まっています。今、我々日本人が直面している問題に、きっと彼らもぶち当たります。

例えばインドネシアの漁港の町が少子高齢化になった場合、日本の港に視察などに来ていただいて、その地域がどのように少子高齢化の中で賑わいを取り戻したのか、「人口が減って面積が狭くなっても、地域コミュニティを再生することによって、魅力ある地域としてさらに活性化できる」というモデルを見せていきたいと考えています。

2点目の「漠とした質問」に対して、漠とした答えになってしまいますが、日本全国の各地域が個性を活かしたショーケースのようになり、我々がこの少子高齢化の中で元気にしたモデル、それ自体を世界に向けて発信していくというのが、個人的なビジョンであり、会社として、経営者として実現したいことです。

そこから戻って1点目になるのですが、なぜこのタイミングの上場だったのかというお話です。先ほど、なぜこのタイミングで利益が伸びてきたのかをお話ししたのですが、パートナーとどう付き合ったらよいのか、各地域でプラットフォームを運営するにはどうしたらよいのかを、「時間がかかりすぎだ」というご指摘があるかもしれませんが、10年以上かけて模索してきました。決して完成形ではなく、この後も変化していくのですが、ようやくかたちを見つけたと考えています。

その中で、先ほど事例に出したような、例えば「廃校の利活用事業を進めたい」あるいは「もっと国の中心地点の事業にも協力したい」「ノウハウも実力も自信もある」という時に、非上場企業の規模が小さい中ではどうしてもタッチできない領域があると感じたのが、1つの大きな部分です。

「もっと大きく、早く成長して、もっと多くの地域の役に立ちたいし、もっと大きなビジネスチャンスを広げていきたい」という、そのためにはやはり上場でパブリックになることによる信用力と、もちろんデットでもできた部分はあると思うのですが、資金調達と、そして多くの優秀な人材を得て、かつ当社自身がサスティナブルになることだと考えました。これを我々はこのタイミングで進めるべきだと思って上場を目指し、この度上場させていただけたということです。

石井氏からのご挨拶

あらためまして、この度はご視聴ありがとうございます。本来であれば、お目にかかってお話を聞いていただきたいところであり、いささか残念ですが、このようなかたちで決算説明会をさせていただきました。

是非、機会があればお目にかかってご説明に上がる機会を頂戴したいと思っておりますし、この後も長期目線で投資をご検討いただけると非常に幸いでございます。何卒、末永く見守っていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。

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