マーケットは前年との比較で動いています。その理由は、経済指標を中心に動いているから。さまざまな統計資料のほとんどは、前月比か前年比で報道されるからです。そこで、未来が確実にわかることがあります。(『角野實のファンダメンタルズのススメ』)
※本記事は有料メルマガ『角野實のファンダメンタルズのススメ』2021年10月21日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:角野實(かどの みのる)
大学卒業後、金融機関に10年ほど勤務。独立して投資家の道へ。現在は企業経営者として活動、FX関連の執筆を多数行っている。
マーケットは前月比・前年比で動いている
連日、温度が毎日のように下がってきています。考えてみれば、去年もこの時期にコロナ感染者が増えると予測をしていましたが、結果は年末まで増えず。
いつも言うように、マーケットは前年との比較で動いているのです。その理由はマーケットが経済指標を中心に動いているから。さまざまな統計資料のほとんどは、前月比か前年比で報道されるからです。
そこで、未来が確実にわかることがあります。
2022年の経済・株価・為替は?
「来年のことを言うと鬼が笑う」とよく言われる格言がありますが、そんなことはありません。確実にわかることがあります。
たとえば、私はパウエル議長やイエレン財務長官がインフレになる可能性がある、と言っていたよりも前かその前後に「今年はインフレになるよ」といっていました。その理由は、去年のことをよく覚えていたからです。
要するに、2020年1-3月は、コロナに伴うロックダウンによって経済が無茶苦茶だったのです。
つまり、物価が本来あがるべき水準にはなく、低いままになっていたわけですから、当然のように「今年は例年以上に物価が上昇する」ということになるのです。
つまり、例年以上に消費者物価や金利などが上昇するのは確実で、しかも「誰でも」わかっていることなのですが、誰も気づかないだけの話なのです。
意味がわからない方が過半だと思いますが、この件は重要なので、今後も何度も記していきます。
経済は「低迷」へ向かう
では、2022年の「経済」はどうなるのか。
昨年(2020年)のロックダウンなどの無茶苦茶な経済と比較すれば、今年(2021年)は良くなります。ただし、株価が前年比から30〜40%も上昇するのはさすがにやりすぎですので、売りだと騒いだのです。
今年は、昨年に成長できなかった分をON(オン)して経済成長したのですから、通常の成長であれば、確実に経済は低迷します。なので、2022年は今年ほどよくならないと思います。
日本銀行は来年の見通しを発表しましたが、2022年は悪いけど、2023年はよくなると物価見通しに関して発表しています。
これは今年の経済ができすぎで、来年はうまくいかない、なぜなら、今年の上昇がひどすぎたから、というだけの話です。
来年の経済が悪くなれば、再来年は(来年の悪い数字と比較して)よくなるのだから、再来年にはまたよくなるよ!というのは誰もが納得する話です。
要は、去年や先月が極端に悪すぎたり良すぎたりすれば、必ずその比較で、よくなるか悪くなるかはわかるよ、ということなのです。