よく当たるアナリストは、比較の対象を知っている
この通りになるかはわかりません。しかし、今後、よく当たるといわれるアナリストや、国家の見通しが出てくるでしょう。この路線に沿ったものしか出てこないはずです。
よく当たるアナリストや見通しというのは、何と比較をすれば良いのかを心得ているのです。それだけの話です。
〇〇が高い、〇〇が安いというのはよく報道で見ますが、それをなんとなく見てはいけません。高い・安いという概念は、比較対象があって成立するもの。なんとなく高い・安いというのは、感情的な結論であって、科学的には〇〇と比較して高い・安いと言わなくてはいけない、ということです。
マーケットの場合は、常に「前年」や「前月」なのです。
ベース効果とは?
上記で説明したことを、最近では「ベース効果」と言うようです。ベース効果というのは、前年や先月と比較しての高い・安いを判断するということになります。
当たり前の話を、小難しい言葉にしてわけのわからないようにしてしまうのは、いつもの経済用語のことです。
本当は経済なんて簡単なのに、「ベース効果」なんて言うと皆さん身構えますよね?(笑)。
つまり、誰でもわかることを小難しい言葉にして、誰も立ち入れないようにしているのがマーケットであり、経済学なのです。つまり、日常生活で起こっていることと、金融市場で起こっていることは、何ら変わりがない。なのに、それをあたかも違うことが起こっているような錯覚を起こさせ、難しいものにしてしまっているのが経済学であり、マーケット論だと私は思っています。
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— 角野實 (@ytk172jp) October 20, 2021
上記はダウとドルの関係です。青がドルインデックス、緑がダウになります。ちょうど、いつものように1年間の動きです。すなわち2020/10/22〜2021/10/21の推移です。
青のドルが上昇すると、緑のダウは大きく下がっています。どうでもいい話ですが、パウエルはこの緑が急落する前に株を売却したと批判されているのです。法律でいえば利益相反であり、法律に抵触するのかはわかりませんが、日本でいえばインサイダー取引と認定されてもおかしくない事案です(笑)。
つまり、ドルが高くなれば株価は急落し、安くなれば株価は上昇するというのを、このグラフで理解してください。
そして、ベース効果の話にいきます。
去年の11月からドルが急落しているのを見てください。マーケットというのは去年か、先月と比較して動くのですが、この場合は去年です。去年の青のドルは急落をしています。クリスマス商戦を控えているのに、雇用が悪かったのです。これはその前のシーズンに人を雇用しすぎた反動がきているのです。雇用はドルとリンクしているので下がったのです。
今年の場合、雇用はたぶん、これ以上のパンデミックはワクチン接種促進で起こらないと考えるのが妥当でしょう。つまり、去年と同じようには、ドルが急落しない。比較は前年としますので、ドルは去年と比較してどうなりますか?という話なのです。「高く」なります。
では、それに伴って、株価はどうなりますか?という話です。
言うまでもないでしょう。ですから、私は夏から「株価は放っておけば下がるよ、下がる可能性が高いよ」とお話ししているのです。