ビットコインは史上最高値更新からどこへ向かうのか。若干の変動はあるものの、暗号通貨は強い相場を維持している。市場には楽観論が広がりつつある。(『ヤスの第四次産業革命とブロックチェーン』高島康司)
※本記事は『ヤスの第四次産業革命とブロックチェーン』2021年10月26日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
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好調な相場
10月19日よりアメリカでは、初のビットコイン先物ETFである「プロシェアーズ・ビットコイン・ストラテジー」がニューヨーク証券取引所で取引開始された。
初日に5億7,000万ドル(約650億円)を集め、売買代金は10億ドル(約1141億円)を超えた。これまで取引されたETFでは、初日の出来高は歴代2位を記録した。明らかに好調なスタートだ。
また、アメリカでは2件目の承認であるヴァンエックの「ビットコイン・ストラテジー・ETF」も、25日からシカゴ・オプション取引所が運営する「BZX取引所」で取引が開始された。
さらに、アメリカで初めての「ビットコイン先物ETF」が承認されたことを受け、大手暗号資産運用会社の「グレースケール・インベストメンツ」が、同社の投資信託である「グレースケール・ビットコイン・トラスト」を「ビットコインETF」に転換する申請を行う動きを見せている。このETFが承認されれば、アメリカ初の現物の「ビットコインETF」の事例となる。
このような動きを受けて、ビットコインを中心とした暗号通貨も強気の相場を維持している。
現在は少し下落しているものの、10月20日にはビットコインは6万6975ドル(約753万円)の史上最高値を記録した。
暴落しても回復するビットコイン相場
こうした楽観的な相場を背景にして、いまビットコインに関するある見方が一般的になりつつある。
それは、ビットコインの相場は大幅にクラッシュすることはあってもかならず回復し、史上最高値を更新するという認識である。
ビットコインの歴史的なパフォーマンスとトレンドを見ると、ビットコイン相場が大暴落すると必ず跳ね返ってくることを明確に示している。これは、今年のビットコイン価格の大暴落の際にも証明された。
そのひとつの事例は、9月24日に中国が国内でのマイニング活動や暗号資産取引を全面禁止したときだ。中国には最も多くのビットコインの保有者とマイナーがいるため、ビットコインの価格は暴落した。これでビットコインは消滅するという悲観的な観測さえもあった。しかし、しばらくすると、ビットコインの価格は再び急上昇した。
同じことが不動産大手の「恒大集団」の株価暴落時にも起こり、中国政府は2回目の国内の暗号資産や関連ビジネスの取り締まりを行なった。暗号資産の価格は下落したが、アメリカにおける「ビットコイン先物ETF」の発表を受けて、価格は再び急上昇した。
今回ビットコインは、史上最高値を更新している。
ビットコインの相場は2009年の開始以来不安定な乱高下を繰り返し、その将来の存続さえも疑問視される規模の相場のクラッシュを何度も経験している。
しかしビットコインの相場はその後にいつも急上昇し、史上最高値を更新してきた。9月24日の中国による暗号資産取引の全面禁止処置の適用後も、同じパターンである。史上最高値を記録した。
このような状況から、ビットコインを中心とする暗号通貨はどんなに暴落してもかならず相場が回復し、史上最高値を更新し続けるという認識が、暗号通貨の投資家の間では一般的になりつつある。