「中央銀行デジタル通貨」誕生で暴落しても、最終的には元通り
これまでは、これから各国の「中央銀行デジタル通貨(CBDC)」の導入が開始されると、ビットコインをはじめとした既存の暗号通貨に対する大規模な規制が実施され、それが引き金となり暗号通貨の相場は大暴落して、下手をすると消滅に向かうのではないかという予測も多かった。
しかし、9月24日の中国政府による暗号資産の全面的な取引禁止処置のあと、相場は急上昇しているので、仮に各国の取り締まりが実施されたとしても、暗号通貨の相場はいったんは暴落するが、最終的には急上昇するとの見通しが一般的になっている。
そうした認識が一般的になりつつあるなか、やはり強気の相場予測も多くなっている。
年内に10万ドル(約1,100万円)を越える?
そのような強気の相場予測を展開しているのが、市場分析大手「ブルームバーグ・インテリジェンス」の人気アナリストであるマイク・マックグローンである。
マックグローンは、ビットコインは2021年末までに10万ドルを突破すると予測した。また、早ければ10月にも、この水準に到達する可能性もあるとしている。
さらにマックグローンは、多くの投資家はゴールドに見切りをつけて、ビットコインにとイーサリアムに移っている。基本的に市場は、ビットコインとイーサリアムをゴールドと同じような安定資産として見ているという認識を示した。
またマックグローンは、ビットコインの300%の上昇に比べて、イーサリアムの今年のパフォーマンスが700%と突出していることを、10万ドルのビットコイン価格予測を正当化する理由として挙げている。そして次のように述べ、13万ドルも可能だとした。
「ビットコインがイーサリアムに追いつけば、10万ドルになるでしょう。また実際には、13万ドル近くになると思います。おそらく10万ドルには到達すると思いますが、問題はいつ到達するかだけです」
このように言い、非常に楽観的な見通しを示した。
金(ゴールド)は安全資産の王座を引き渡す
いまビットコインの相場を悲観する予測はかなり少なくなっている。だが、もちろんずっと穏健な予測もある。
ビットコインのATMネットワークを構築している「コインフリップ」の創設者であるダニエル・ポロツキーは、ずっと穏健な予測を出している。
ビットコインが成熟し、価値、使いやすさ、信頼性が増すにつれて、成長株のような振る舞いではなく、ゴールドのような価値の安定資産のような振る舞いになっていくだろうと述べ、ビットコインは8万ドル(約880万円)で2021年を終えると予測した。
そして、最終的にはビットコインはゴールドを安全資産の王様として引きずり下ろすとした。10年後までにこの交代劇が起こることを願っている、と述べた。