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なぜ米国株に暴風?ナスダックを強烈に下げた3つの元凶。FOMCの「オブラートに包んだ」会見に要警戒

ソニー1社分の時価総額を溶かしたマイクロソフトの下げ

ナスダックの下げを主導したのが決算を前にしたGAFAM。 マイクロソフトが2.7%安。時間外ではそこから3.7%安と「普段ならマイクロソフトショック」と言っていいほどの売られ方してる。今日、ナスダックは「2%安」ですんだけど、マイクロソフトだけ見てたら5%は楽に下がったような体感の下げ。ちょっと洒落にならん。

去年、ヤフーファイナンスは最優秀銘柄にマイクロソフトを選んだ。しかしその巨人は アナリスト予想を上回る決算を出しながら、いま(原稿執筆時点:1月26日6:40)時間外で終値からさらに5%売られてる。通常取引と合わせて8%くらいの急落になる。 簡単に8%って言うけど時価総額が18兆円ぐらい消えた計算。これは去年の「サードパーティクッキー騒動」でアメリカのIT銘柄が売られた規模に匹敵する。ソニー丸々一個分以上の時価総額が溶けたわけね。

過去数字はよかったけど、今後を担うべき企業向けエンタープライズソフトセグメント(まあ「クラウド」と一言で言っていい)が伸び率鈍化することをアナリストはかなりネガティブに評価してる。まだ株価格付けは出てこないけど、バロンズとか見てると目標株価下げの方向でアナリストリポートが出てくるんだろう。

ビックGAFAMの2つの不安

Amazonが3%安。時間外でさらに2%安であわせて5%の下落。ここでも7兆円分時価総額が溶けた。

あとはメタが2.7%安時間外でさらに1.6%安。グーグルが2.8%安、時間外で1.3%安。時間外も合わせれば軒並み5%安と言う感じでGAFAMだけで時価総額何十兆円溶けたんだろう。

GAFAMの下落には「クラウドが伸び率落ちた」という側面と「アップルによるサードパーティクッキー制限」による広告収入減少という側面2つが今決算によって再びクローズアップされてきていると言っていい。

要するに人々が「これからはビジネスモデルが変わってこんなに儲かる!と思ってた部門が「あれ?こんなはずでは?」と同時にクエスチョンマークがついてしまった。今まで値段を保っていたビッグテックの変調はかなり痛い。

IT銘柄の将来性に対して評価修正

11月から大きく下げたナスダックだけど「下げ成分」は未だ売上が立っていない若い銘柄たちの「将来性」部分に対する評価修正の下げだった。でも今日のナスダックの下げは「ビッグテック」というすでにある程度ビジネスを確立している銘柄の「収益伸び減速」を嫌う下げ。今月前半までの下げとちょっと意味が違う。

いわば今までの下げが日本の新興市場のようなまだ大きくなっていない銘柄の下げだったのに対して、今日の(そして時間外の)下げはすでにビジネスを確立したIT銘柄への楽観的見通しを修正する下げだ。日本で言えばソニーや任天堂、Yahooとか楽天の伸びに疑問を呈する流れと言っていいかもしれん。

Next: 「FOMCの発言はオブラートに包まれたものになる」

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