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決算書で丸わかり。「Yogibo」日本代理店が米国本社を買収できた3つの勝因と世界戦略=シバタナオキ

Yogiboの市場での立ち位置

少し古い統計になりますが、2017年の統計からYogiboの製品としての立ち位置を整理します。

2017年の時点では、Yogiboはビーズチェアの世界市場の14.82%を占めて、世界第1位でした。第2位は無印良品で、シェア9.1%でした。Yogiboのようなビーズチェアに参入している会社は、ほとんどが米国企業で、その数は100ブランドありました。

市場規模としても米国がトップで、全体の66.22%、第2位はヨーロッパで16.44%です。その他のアジア、南米、中東、アフリカ市場は開拓が進んでいない状態でした。

このことから2017年の時点では、米国とヨーロッパ以外ではビーズチェアの認知が低く、マーケットとしては未知数であったことが分かります。

業務提携と関係性

Inc(北米で発行されている事業主・中小企業向けの月刊誌)でのEyal氏のインタビューによると、Yogiboは米国外の市場として日本のパートナーを探していました。

そこにウェブシャーク代表の木村氏からアプローチがありました。木村氏のEC事業のバックグラウンドがあったこともあり、業務提携に至りました。この業務提携がYogibo社の海外展開の最初の1歩目となります。

日本では、米国本国では実施していなかったポップアップストアを展開することで、触れないと分からないYogiboの良さを限られた予算で認知させ、市場を拡大しました。

業務提携から3年後の2017年には、ウェブシャーク社の売上はYogiboの世界全体の15%を占めるようになりました。ウェブシャーク社は、単なる販売代理店としてでは無く、独自商品の展開や法人向けサブスクリプションサービスなどの施策を展開しています。

Eyal氏は、日本でのローカライズの成功事例をカナダ、クウェート、韓国でも展開を試みましたが、日本ほどの成功は無かったようです。またこの各国でのローカライズを実施した結果、現在の各国でYogiboのデザインがバラバラであったり、マーケティング戦略が一致していない事象に繋がっていると考えられます。

日本でのマーケティングの成功とそれによる売上の拡大もあり、Yogibo社とウェブシャーク社の関係性は非常に良かったことがインタビューから伺えます。

Next: なぜ代理店が親会社を買収できたのか?

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