<理由その2: Yogibo社の思惑>
プレスリリースによれば、米国Yogibo社はYogiboの売却を考えており、ウェブシャーク社に打診をしたのが売却のきっかけでした。Yogibo社の規模で上場していない理由としては、売却をExitとして最初から考えていた可能性があります。
また、日本の売上を除いても米国Yogibo社の売上、純利益共に過去最高益だったことから、売却の理由としては業績悪化では無いようです。
<理由その3:ウェブシャーク社が買収に至った理由>
プレスリリースでは、ウェブシャーク社が買収に至った理由は2つあります。
1つ目は、事業継続のリスクです。米国Yogibo社が買収された場合、日本総代理店の契約解除により業績悪化を懸念したためです。
2つ目は、Yogiboの各国のブランドデザインが統一されておらず、日本から海外に渡航した際にユーザーのブランドイメージに悪影響があるため、ブランド統一をする必要があったためとされています。
日本では、NiziUを起用したCMなど大胆な広報戦略によって、認知度が54%から74%に増加し、それに伴って売上が向上するなど、Yogiboのマーケティングの勝ち筋がかなり見えていたのも買収の材料となったのかもしれません。
今回の買収で面白い点は、Yogibo社の経営者を買収後もそのまま残している点です。ここから考えられることが2つあります。
1つ目は、今回の買収が友好的な買収であるということです。Yogibo社のグローバルなブランド力に対して、ウェブシャーク社のマーケティングとIT、そして企画力を合わせることで未開拓の地域に対して、既存経営者とアプローチしていく意志が感じ取れます。
2つ目は、最短で売上を成長させられる体制を目指しているということです。既存の各国の代理店と販売網を現在の経営陣の下で残しつつ、ウェブシャーク社主導のマーケティング、ブランディングで統一することによって、最短でより大きな売上を上げることを意図しているのではと考えます。
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