fbpx

「ビットコインで世界中にベーシックインカムを」ジャック・ドーシーの発言と実験で上昇相場へ=高島康司

ジャック・ドーシーの発言と実験

このような「ナスダック」の上昇以外に、特にビットコインの相場を押し上げる背景になった別の要因もあるようだ。

「Twitter」はもちろん、「Telegram」や「Reddit」などの暗号通貨の個人投資家が主に集まるSNSを見ると、今回特に注目されているニュースがあった。

それは「Twitter」の元CEO、ジャック・ドーシーの驚くべき発表だ。

このほどジャック・ドーシーは、貧困をなくすために、ビットコインを使った「ユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)」戦略の可能性について語った。最近「Twitter」のスペースチャットで行われた下院議員候補のアーリカ・ローデスとの対話で、ドーシーはビットコインを使った「ユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)」が所得格差を解決する可能性があることを話した。

すでにドーシーは、自分が立ち上げた慈善団体、「Start Smallイニシアチブ」で、「ユニバーサル・ベーシック・インカム」の実験のために、米国内外で5,500万ドル以上を投資している。「Start Smallイニシアチブ」は、ドーシーが世界の新型コロナで被害を受けた人々の救済のために作った慈善団体だ。慈善団体のサイトによると、「パンデミックの後は、少女の健康と教育、そして「ユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)」に焦点を移す」とある。

そしてドーシーは、「ユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)」における不換紙幣の使用は多くの問題を生み出すが、ビットコインの基本的な構造がそれらを解決する可能性があるという。ドーシーは、現在の中央集権的なシステムは、透明性に欠けているため、貧しいコミュニティには好ましくないと指摘しながら、「情報の不明瞭さは、人々に、自分やコミュニティ、家族のためにならないネガティブな金融行動を強要し、インセンティブを与える」と述べている。

「ユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)」は、貧困を緩和し、所得格差を是正し、社会の経済的幸福度を高めるためのソリューションとして注目されている。これには、社会のすべての構成員に、生活に必要なものをカバーする無条件のベーシックインカムを提供することが含まれる。

ドーシーは、ビットコインを使った「ユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)」の実験では、「コードが透明であるように、政策も透明である」と、運営が透明化できると力説した。

今回の実験でドーシーは、ビットコインの基準を守る販売者や商人の小規模な閉じられたコミュニティを新たに共同で作るという。このような小規模な取り組みで成功した後は、大規模な導入でも同じことを試みる計画だ。 ドーシーは、「私たちは人々の考え方を根本的に変え、そのコミュニティ全体に複合的に影響を与え、周囲の販売者や商人が同じようなことをするなど、他の行動を促す」という。

ドーシーは、政府が既存の支援体制に費やすお金よりも、直接お金を与えることで人々を助ける方がはるかに良いという。

「ビットコインの新たな使用分野を切り開く」

ドーシーは、熱心なビットコインの支持者だ。彼の暗号通貨への愛は、ビットコインをキングコインとして提唱し始めた2017年にさかのぼる。

2018年に暗号通貨の市場が暴落したとき、ビットコインがここ数年で最安値を記録したにもかかわらず、ドーシーは動じることなく、ビットコインを未来の世界通貨と呼んでいた。2019年3月、ドーシーは、毎週数千ドルを使ってビットコインを購入していると発言していた。

最近では、「メタ(旧Facebook)」の暗号通貨プロジェクト「Diem」を 「無駄な努力と時間 」と批判した。ドーシーは、「その2年や3年、あるいはどれだけの時間が経ったとしても、世界中のより多くの人々がビットコインにもっとアクセスできるようにする」ことに費やすことができたはずであり、それは「メタ」にも利益をもたらすだろうと述べていた。

ドーシーは、ビットコインが企業の根本的な問題解決にどのように役立つか聞かれたところ、インターネットが固有の通貨を持つことで、「インターネット企業やテクノロジー企業だけでなく、より重要なのは、日常の人々、活動家、世界に疑問を持ち、好奇心を持ち、通貨システムが自分たちのために機能していないことを認識している人々」に多くの扉を開くことができると述べた。

ドーシーのこのビットコインを使った「ユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)」のシステムは、少し分かりにくいかもしれないが、要するにこういうことだ。

ビットコインでものやサービスを販売する商店や企業と、こうした場所でビットコインを使ってものを購入する人々のクローズドなコミュニティーを作り、そのコミュニティーの参加者に「ユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)」としてビットコインを配布するというアイデアだ。

すでにこれはドーシーの慈善団体で実証実験が完了しているので、単なるアイデアではない。新型コロナのパンデミックが落ち着いた後、ドーシーはこれを大規模に導入するとしている。

これはビットコインの新たな使用分野を切り開くことになる。個人投資家の注目を集め、ビットコインの相場のさらなる上昇が期待されるのもよく分かる。

Next: アリゾナ州のビットコイン法定通貨化への動き

1 2 3
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー