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2万5000円の「底」へ向かう日経平均。“動けない日銀“ほか3つの波乱材料の着地点は?=馬渕治好

盛りの花~世界経済・市場の注目点

<先週の市場動向から見出せる3つのこと>

先週の市場動向を様々に振り返ると、以下の3つの点を注目すべきだと考えます。

1つ目は、すでに述べましたが、市場の上下動が激しく、今後も激しいと懸念されることです。
特にこうした荒れる相場では、短期的な相場の動きを予測することは、無理です(荒れない相場でも短期変動を見通すことは無理ですが)。筆者にもまったくわかりません。

こうした環境下(に限りませんが)では、レバレッジ(次の「理解の種」もご覧ください)をかけた、少しの市況変動で大きな損益が発生する取引は、儲けることは不可能だとは言いませんが、かなり難しいです。なぜなら、市況の理不尽でかつ日常茶飯事な振れで、損失があっという間に膨らむことがありうるからです。

レバレッジをかけて、短期的に手っ取り早く大儲けしよう、という投資手法は、今後もお財布に厳しいだけではなく、精神的にも厳しいものとなる恐れが強いです。

もちろん、投資は、自身ですべての損益を引き受ける(自己責任を取る)限り、何をやるのも自由です(法律などを犯さないという前提で)。したがって、筆者が「レバレッジをかけた取引をやってはいけない」などと言える筋合いはありません。ただ、そうした取引に対し、筆者がアドバイスできることは、何もありません。幸運を祈るばかりです。

2つ目は、悪材料が多い割には、株式市況が意外と堅調なことです。先々週も先週も、目立った悪材料がない局面では、主要国の株価指数はしっかりと上に向かっていました。

また、「過ぎし花」で述べたように、1月の米CPIが2/10(木)に公表された際は、直後こそ下落したものの、その後に一時ザラ場で前日比プラスに転じました。CPI急騰という一撃では、米株価はそれほど崩れなかったわけです。米株価がようやく膝を屈したのは、同日にブラード総裁のタカ派発言という、第二撃をくらってからでした。かなり粘り強い株価動向だと解釈できるでしょう。

その株価の粘り強さの背景は、(メタの減益決算などは先々週にありましたが)足元の企業業績が総じては堅調だからでしょう。

とすれば、主要国の株価指数の、3月に向けてのもう一押しを、欲張るべきではないのでしょう。日経平均は、3月「頃」に2万5,000円「前後」に下押しすると予想していますが、そうなるかどうか、わかったものではありません。売りで儲ける局面は、せいぜい年初の2万9,000円台からの下落局面であって、今からでは遅いです。新規で売りから入り、大いに儲けよう、というのは、もうあきらめた方が良いのではないでしょうか。

むしろ、すでに相場下落で収益が膨らむポジションを構築しており、それで利益が出ているのであれば、どのあたりで手仕舞い勝ち逃げするかを、ゆっくりと検討し始めるべき時期だと考えます。2万5,000円近辺まで必ず下がると信じ込み、レバレッジを大いにかけた取引で尻尾までもっともっと儲けようと欲にとらわれ、いつまでも売りポジションを引っ張り続けると、たとえば2万5,000円より手前で市況が急反転し、損失を被る、という結末も否定できないと思います。

逆に、そろそろ、底値の「辺り」で何を買おうかと、楽しみながら研究し、ゆっくりと買いためていく時期に入り始めているのではないでしょうか。どうせ底値では一気に買えません。そうして研究する時間を、のんびりと楽しんでください。投資は苦しむのではなく、楽しむことが大切です。

投資していて苦しくて辛いのなら、それは元々のやり方自体が間違っている可能性が高いです(見通しを誤ったとか、そういうことではないです)。その間違いの多くは、たいがい手っ取り早く大儲けしたい、もっともっと儲けたいという、自身の欲に起因します。欲に潰されてしまう人はとても多いです。最大の敵は、他の誰でもなく、市場でもなく、自分自身です。

Next: 「動けない日銀」が株式市場をさらに乱す?

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