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アップルやディズニーまでも…広がる民間企業による対ロシア制裁の動き。ただ最も効果的なのは「Pornhubによる“性裁”実現」との声も

ロシアによるウクライナへの侵攻を受けて、米アップルがロシアで自社全商品の販売を一時停止すると発表したことが大きな波紋を呼んでいる。

アップルは商品販売の一時停止のほか、ロシアへの製品輸出のストップにくわえ、モバイル決済サービス「アップルペイ」などのサービスの利用も制限するとのこと。いっぽうで、ロシア以外の国々の「App Store」では、ロシア政府系メディアの「RT(旧Russia Today)」や「スプートニク」といったニュースアプリが削除されているという。

報道によると、アップルは「ロシアのウクライナ侵攻を深く懸念している」と声明を発し、「われわれは人道的努力を支持し、広がっている難民危機に支援を提供し、同地域のアップルのチームの支援に向けてできる限りのことを行う」と表明しているという。

ロシアにおいてもトップシェアのiPhone

ロシアに対しての主に欧米諸国による制裁が進められるなか、民間企業の間でもロシアにおけるビジネスを見合わせる動きが大いに広がっている。

例えば自動車メーカーでは、米ゼネラル・モーターズがロシアへの自動車の輸出をいったん停止すると公表したほか、スウェーデンのボルボもトラックの現地生産を停止し乗用車の輸出もやめる発表。日本のトヨタ自動車も、ロシアの工場に関して「部品の調達ができなくなっているため、生産の継続が難しくなっている」として、近く事実上の生産停止となる可能性があるという。

また、海運業界でも食品や医療機器などを除くコンテナ輸送の停止を相次いで打ち出しているほか、クレジットカード会社でもマスターカードとビザが、それぞれ決済ネットワークからロシアの複数の金融機関を排除したと発表。さらにマーベル・スタジオや20世紀スタジオ、ピクサーなどを傘下に持つディズニーも、ロシアでの今後の映画公開を一時的に停止すると表明するなど、ロシア市民の日常生活に直結するようなサービスはもとより、娯楽に関する分野においても制裁の輪が広がっているといった状況だ。

いっぽうで今回のアップルだが、その主力製品であるiPhoneの人気はロシアでも例外ではなく、先月行われた調査によると、ロシア国内におけるスマートフォンのメーカー別シェアは、アップルが26%を超えて1位だということ。

我々の日常においても、最近では電子決済をはじめとしたスマホ利用がない生活というのは到底考えられなくなっているが、今回のアップルによる措置によって、多くのロシア市民が多大なる影響を受け、今後相当に厳しい日常生活を強いられることは必至の情勢だろう。

ロシア市民にとって一番キツい制裁はやはり…

このように、民間によるロシアへの“制裁”が次々と表面化するなかで、先日世界的に話題となったのが、あの超有名なアダルトサイト「Pornhub」がロシアからの閲覧を制限しているのではといった噂話だ。

【関連】Pornhubアダルト動画大量削除で事実上終焉、国別アクセス数2位の日本で悲鳴続々

「Google」「Facebook」「Wikipedia」といった、並み居るサイトに続くアクセス数を誇ると言われるPornhub。昨年末に公表された国ごとのトラフィック統計をみると、世界のトップ20にはしっかりとロシアの名が入っている。ちなみに、ロシア国内で最も視聴数が多かったカテゴリーは、アダルトなアニメや3Dムービーのことを指す「hentai(ヘンタイ)」のようだ。

そんなロシア人の間でも人気の高いPornhubだが、ついに対ロシアへの制裁として閲覧制限を実施、なんでもロシアからサイトにアクセスすると、ウクライナの国旗とウクライナを支持するメッセージが表示される……といったがまことしやかに噂されていたのだが、結局のところこれらの話は“フェイクニュース”、誰かによる与太話に皆がまんまと引っかかったのが真相だったようだ。

とはいえ、このような話が大真面目に取沙汰されたというのは、民間企業による数々の“制裁”のなかでも、アダルトサイトからの閲覧ブロックという“性裁”がロシア市民、とりわけ男性諸氏にとっては、最も効果的なのは間違いないと思われている証左か。一見間抜けな“アダルト動画断ち”作戦ではあるが、それによってロシア市民の間で厭戦ムードが広がり、プーチンによるこれ以上の暴走を止める力になれば……というのは、世界中の多くの人々が願うところだろう。

Next: 日本にしかできない最も有効的な経済制裁とは?

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